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ぴいぷる 女優・歌手、大竹しのぶ 舞台にキラキラ少女の瞳「みんなで素晴らしいものを作り上げる面白さは…やっぱり舞台じゃないと」

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月24日 6時31分

圧倒的な演技力で、ドラマや映画に舞台と見る者を魅了する。最近ではドラマ「海のはじまり」(フジテレビ系)でも注目された。大切な娘が残した子供をなんとしても守り抜きたいと願う祖母役で、子供の存在を知らなかった父親に厳しい言葉をぶつける難役だ。

「こんなひどいこと、普通言わないでしょって思うこともありましたが、脚本家の方やプロデューサーや演出の方と話し合って、基本的には台本通りに言いました」

意地悪な言葉を言いながらも表情など端々に優しさが感じられる演技は、最終回の「娘が自分より先に死ぬことを想像して。私たちは娘の遺影の写真を選んだの」といったせりふに凝縮され、涙を誘った。そんな彼女を支えたのは、孫の海役を演じた泉谷星奈(いずたに・らな、7)だったとにこやかに明かす。

「私が娘の遺骨の前で泣くシーンがあり、星奈ちゃんが『大竹さんのほんとの子供が死んじゃったみたいで、ほんとに星奈はびっくりして』って褒めてくれて。すごく勇気と自信になりました」

次なる演技の場は、東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで11月1日に初日を迎える主演舞台「太鼓たたいて笛ふいて」。10年ぶり5度目の公演となる井上ひさしの名作音楽評伝劇で、「放浪記」などの作家、林芙美子の戦前・戦中・戦後を描き、戦争に真っ向から向き合った生涯を演じる。

今こそやる意義

「22年前の初演のときに、毎日毎日、この芝居ができる喜びや、やる意味を感じていました。井上さんの言葉を伝える使命みたいなのものも感じましたし、今の世界情勢なども踏まえて、こういうときだからこそ、これをやれることが、すごく意味があることだと思います」

演出を担当する栗山民也(71)とは何度となくタッグを組んできたが、井上作品とは縁が深い万全のコンビだ。

「私が25歳くらいのとき、井上先生の『もとの黙阿弥』(1983年)で、演出助手をされていたのが栗山さんでした。演出家として出会ったのは『太鼓たたいて―』が最初なんです。前回やって、またやりたいねって栗山さんとはいつも話していました」

舞台の芙美子の最後のせりふ「休んでいるひまはないんだわ。書かなくては、書かなくてはね」に、井上を重ねる。

「そうやって生きていらっしゃったんだなって。ほんとに命を削って言葉を紡ぎ出して。日本に世界に社会に、声高に物申すのではなく、優しい言葉で、でも、間違っていることは間違っているんだと言ってきた」

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