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トップ直撃 膨らむ「非常食」需要の先に総合食品メーカーへの道 アウトドア、インバウンド、高齢者施設…「宇宙日本食」第1号も 尾西食品・市川伸介社長

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月20日 11時0分

――一般家庭では、災害時の備えとしてどう使えばいいですか

「非常食は種類が非常に増えているので、何を選べばいいか分からない方も多いと思います。われわれが提案するのは、3日間の朝昼晩のメニューを考えることです。災害時の初動は水もお湯もないことが多いので、パンやクッキーなどそのまま食べることができるもの。2日目になったら水がだいたい通るだろうからアルファ米。3日目にお湯を沸かせるようになれば麺も食べることができます。われわれも3日分の非常食のセットを用意しているので、家族の人数分そろえていただくのもいいかと思います」

世界で活動する登山家、アスリートも重宝 「宇宙日本食」第1号にも

――世界で活動する登山家やアスリートにも重宝されているとか

「海外遠征は荷物が多いので、重量のあるご飯やお米は避けたいところです。水やお湯を注ぐだけでできる『携帯おにぎり』なら軽いですし、長期間もつというメリットがあります」

――宇宙食にも採用されたそうですね

「『宇宙日本食』の第1号なんです。品質はもちろん、宇宙に持って行って空気のないところでどうなるのかなど、JAXA(宇宙航空研究開発機構)さんの基準は厳しかったですね」

――用途は広がっていますね

「台湾への輸出が広がっているほか、欧米などではおにぎりの需要が高まっています、『総合非常食メーカー』から、さらに『総合食品メーカー』に近づけたら、もっと会社は成長するのではないかと思います」

「コシヒカリ」「アルファ米」公私ともに米とのつながり

【農業】地元新潟の魚沼地域に月に1、2度は戻り、自ら稲作を行っている。

「実家はもともと農家だったのですが、父親が亡くなってから私がやるようになりました。作っているのはコシヒカリです。トラクターも買って、自分で食べる分と、社員の方々に買っていただくぐらいの量を作っています」

社会人生活でも米とのつながりは大きかったという。

「亀田製菓では、米の販売が許可制から登録制になった時代に、主食米販売のプロジェクトを1人で任されたことがありました。生産者や農協に手伝いに行き、何度か通ううちに打ち解け、仕入れ契約にこぎつけて農家の人たちと湯のみ茶碗(ちゃわん)で酒を酌み交わしたことが忘れられません。2013年に尾西食品に来てからはアルファ米など商品の企画開発を担当しました」

【家族】母親と妻、長男の4人家族。「家族は新潟で、私は単身赴任生活が14年になります。毎朝LINEで連絡を取り合っています」

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