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わが社の「健康経営」 クラシエ(1)ウオーキングキャンペーンで意識改善 社内体制の統一、職種に公平な取り組み

zakzak by夕刊フジ / 2024年5月8日 15時30分

ウオーキングへの動機付けにキャンペーンが定着してきた(夕刊フジ)

「健康経営」という言葉をご存じだろうか? 企業が従業員の健康に投資し、戦略的な計画や実践を行う経営方針のことだ。結果として生産性が上がり企業価値が上がる仕組みで、国が後押しをしている。経済産業省は、2014年から「健康経営銘柄」の選定を開始、16年には「健康経営優良法人認定制度」を創設、社会的に評価を受けることができる環境を整備した。

まだ10年足らずの取り組みだが、各企業ではどのように実践しているのか。さまざまな角度から紹介していきたい。

【ヒント1】社内体制の統一

1回目は、昨年10月に関連会社3社を吸収合併して新しくなった「クラシエ」を取材した。クラシエホールディングス、クラシエホームプロダクツ、クラシエ製薬、クラシエフーズがひとつになり、「世界を夢中にする100年企業」を目指している。

「健康推進の取り組みは、クラシエグループとして以前から行っていました。ただし、4社それぞれで取り組んでいたため、違いをつなげ、新たな『健康経営』を進めています」と、同社総務・人事室健康推進部の柏玲子部長は説明する。

社内意識をまとめるため、岩倉昌弘社長が「健康経営」について、あらためて従業員に向けて発信するなど、推進に弾みをつけている。

「クラシエ健康保険組合と連携し、たとえば、ウオーキングキャンペーンを年2回実施するなど、従業員が参加しやすい取り組みをすでに実施しています」(柏部長)

社内イベントとして、1日の歩数を競う社内向けキャンペーンを取り入れる企業は多い。個人で1位を狙う、あるいは、部署のトータルでトップになるなど、「歩行」に対する意識を高めるために大いに役立つ。

【ヒント2】職種に公平な取り組み

「工場やデスクワークなど、職種によって1日の歩行距離が限られます。そのため、休日だけでも多く歩けば参加賞に該当するように設定し、上位だけでなく順位や抽選で賞品が当たるなど、職種に関係なく公平に取り組めるような仕組みにしています」(柏部長)

1日5000歩以上の日が20日以上で、QUOカードの参加賞。順位により、3000円分の衣類店や靴店の商品券も用意している。77位で獲得した靴店の商品券でスニーカーを新調した従業員は、「キャンペーン中、バスを使わずに駅までみんなで歩くなど、社内意識が高くなりました。スマホのアプリで、順位や歩いた距離、『東海道五十三次』でどこまで進んだかもわかるので楽しみです」と笑顔に。

健康経営は従業員が楽しむだけでは「良し」とされない。

「企業が健康への投資を行い、従業員と会社が共に成長することが重要です。それをいかに浸透させ、社内外に示すことができるか。今後、さらに健康経営を推進させなければならないと思います」と、同社薬品カンパニーヘルスケア事業部ヘルスケア事業企画部の内田裕紀部長は話す。

社内の意識統一、職種も考慮した上で総合的な健康経営をいかに進めるか。制度を作り定着させるには、ひとつひとつハードルを越える必要があるようだ。(取材・安達純子)

■クラシエ株式会社 トイレタリー・コスメティックス事業、薬品事業、食品事業。グループ従業員数1790人(2023年12月時点)。1887年「東京綿商社」が旧カネボウの前身、2007年に「クラシエ」に社名変更。

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