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カワノアユミの盛り場より愛を込めて 沖縄で13年ぶり津波警報 避難で渋滞、車社会の弊害が 飲み屋街の「雑居ビル開放」も今後の課題に

zakzak by夕刊フジ / 2024年4月25日 15時30分

今月3日に台湾東部で最大震度6強の地震が発生した。この地震の影響で沖縄本島などには一時、津波警報(最大3メートル)が発令され、避難指示も出された。気象庁によると、沖縄地方に津波警報が出たのは2011年に起きた東日本大震災以来、13年ぶりだった。

車社会である沖縄では高台に避難する人たちの自家用車で道路が渋滞し、ネット上では「津波発生時は車で避難しないほうがいいのでは」などと物議を醸した。だが、沖縄では高齢者や子供も多く、津波警報時における避難方法などは引き続き課題とされている。

津波警報の発令は午前9時過ぎだったが、那覇市を訪れていた観光客らが高い建物に避難して騒然とする様子がニュースでは映されていた。幸い、同日正午には全ての津波警報が解除され、街もすぐにいつも通りのにぎわいを取り戻した。

そんな中で筆者が気になったのは夜の店の津波対策だ。本島にあるラウンジの関係者の男性に今回の状況を尋ねてみた。

「津波警報発令時は高台方面へと続く道路は渋滞がひどくて、歩いて避難したほうが早かった。そのときうちの店は高台の6階にあることを思い出したんです。警報発令中はお店を開け、避難場所として使ってもらいました。ミネラルウオーターも店には大量にあるので無料で配り、避難してきた人たちにはゆっくり休んでもらって」

警報発令時は午前中だったので一度帰宅していたそうだが、ニュースを見て同じビル内のキャバクラやラウンジのオーナーたちと集まり、ビルの開放を決めたという。このラウンジ関係者は「うちは地元のお客さんが多いから、地元の人のことを考えたら自然とそういう流れになった」と話す。

那覇市では、高さや耐震性などの条件を満たす建物を、所有者と契約の上で「津波避難ビル」に指定している。一方で、本島の飲み屋街にあるキャバクラやスナックが入る雑居ビルにも5階以上の高い建物が少なくない。こうした雑居ビルも津波緊急時の一時避難先に推奨されてはいるのだが、まだ開放されているビルは少ないのが実情だ。

今回の津波発生は昼間だったため、雑居ビル内の夜の店は閉店している時間帯ではあった。とはいえ、地震も津波もいつ起きるかはわからない。もしものときには、ネオン街の雑居ビルのオーナーやスタッフたち自身も積極的に避難民の誘導をできるような、そうした対応も今後は必要になってくるのかもしれない。

■カワノアユミ 20代を歌舞伎町と海外夜遊びで過ごした元底辺キャバ嬢。現在は国内外の夜の街でニッチなネタから盛り場の変遷までを幅広く取材。著書に、アジア5カ国の日本人キャバクラで9カ月間潜入就職した『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)。X(旧Twitter):https://x.com/ayumikawano/

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