“元3冠王”が目指す「レギュラー」 清原Jr.の憧れの存在…巨人23歳逸材の現在地
Full-Count / 2024年4月25日 13時57分
■巨人・萩尾は涌井から適時三塁打「逆方向を意識していた」
■中日 3ー2 巨人(24日・東京ドーム)
競争の激しい巨人の外野陣にあって、レギュラーの座獲得へ最近猛アピールしているのが2年目の萩尾匡也外野手だ。24日の中日戦(東京ドーム)に2-3と競り負けたが、2回に右中間を破る適時三塁打を放ち気を吐いた。(成績は24日現在)
23歳の成長株は、躍動感にあふれている。「6番・右翼」でスタメン出場した萩尾は2点ビハインドの2回1死一塁で、20年目のベテランの中日・涌井秀章投手に対し、カウント1-0から真ん中高めのスライダーを“逆方向”の右中間へ運んだ。一塁走者の岡本和真内野手が長駆ホームイン。三塁ベース上で右腕を突き上げた萩尾のガッツポーズはまるで、前日23日の同カード(ひたちなか)の3回に左前適時打を放った時の、リプレーのようだった。
「相手が涌井さんということで、逆方向を意識しました。イメージ通りの打撃ができたと思います」と口元を綻ばせた。
もっとも成長途上の若手には、殊勲の働きの後に反省すべきプレーも待っている。2-2の同点で迎えた3回2死満塁での第2打席は、初球から打って出るも内角の147キロ速球に詰まらされ一飛に倒れた。涌井にリベンジされた格好だ。
「第1打席のように、もっとイメージを強く持って臨めればよかったのですが、ただ真っすぐが来たから打ちにいった感じです」と反省。「涌井さんのストレートには、みんな全体的に差し込まれている感じがあったので、あの打席では右方向というより、センター方向狙いでよかったかもしれません」と分析する。
慶大4年時に東京六大学秋季リーグで、戦後16人目の3冠王に輝いた。2022年ドラフト2位で巨人入りし、1年目の昨季は1軍では11試合出場、打率.063(16打数1安打)にとどまったが、イースタン・リーグでは打率.283、7本塁打の好成績を残した。
今季は開幕1軍に名を連ね、これまでチーム22試合中18試合にスタメン出場し、打率.242(62打数15安打)、2本塁打。チームで2本以上本塁打を放っているのは、3本の岡本和真内野手、2本の坂本勇人内野手、萩尾の3人だけだ。
■「阿部さん、二岡さんからレギュラーになったと言われたい」
昨季の2軍監督で、今季1軍ヘッド兼打撃チーフとなった二岡智宏コーチから日々、有意義なアドバイスを受けている。打撃の調子が落ち気味の時にも「開幕以降、そこまで悪くなっていない。去年より確実によくなっている」と励まされたそうで、「相手が1軍の投手となれば、そうチャンスは多くない。どういう球でカウントを取りにくるのか、前の打者に対してはどうだったのかなど、イメージを強く持って臨むことが大事だと言われています」と明かす。
二岡コーチも「まだ1軍でしっかり結果を出している選手ではない。普段から本人と(1軍投手に)どう対応していくかという話をしています」。師弟“二人三脚”だ。
明るい性格のムードメーカーでもある。母校の慶大は今年、開催中の東京六大学春季リーグで、NPB歴代5位の通算525本塁打を誇る清原和博氏の長男・正吾内野手(4年)が4番を張っている。その清原が目標の選手として名前を挙げるのが萩尾。「僕が慕っている兄貴のような存在。最近(巨人で)打っていますし、かっこいいなとリスペクトするところがあります」と語っている。
「レギュラーを目指して、この世界に入ってきました。阿部(慎之助監督)さん、二岡さんに『レギュラーになった』と言ってもらえるように、この1年間頑張っていきたいと思います」と清々しい笑顔を浮かべる。いろいろな意味で成長が楽しみだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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