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「そこまで本気で付き合えない」切実な声が契機…保護者の“手間かけない”チーム運営

Full-Count / 2024年5月28日 7時5分

福岡・北九州市「ひびきのスターズ」の練習の様子【写真:チーム提供】

■北九州市の少年軟式野球チーム「ひびきのスターズ」…極端に少ない保護者の負担

 福岡県北九州市若松区に拠点を置く少年軟式野球チーム「ひびきのスターズ」は、親子ともに負担の少ない運営を目指している。竹治賢二監督が、自身が見聞きしたことを踏まえ「保護者の手がかからず、安心して子どもを預けられる」チームを理想とし、2019年に創設。その人気は、年を追うごとに高まっている。Full-Countでは、全国で話題の学童野球チームを取材。練習や指導法から子どもたちの成長を促す“ヒント”を探っていく。

 ひびきのスターズは、保護者の負担が極端に少ない。日々の送迎はチームのマイクロバス。お茶当番もない。土日は学年別で、5、6年生こそ1日がかりで活動するが、1、2年生は午前、3、4年生が午後から練習のため、子どもが上級生になるまでは弁当を作る手間がかからない。

「保護者のお弁当を作る負担もありますけど、低学年のうちは、野球だけに打ち込むというよりは、遊ぶ時間や家族で過ごす時間に使ってもらいたいという気持ちがあります」

 高学年であっても、野球一辺倒になることはない。練習はもとより、試合を休むのも自由。週末や夏休みに家族旅行へ行くことだってできる。

「試合の日は、前日までに休むことを伝えてくれたら大丈夫です。主力が休むこともありますけど、できる子たちだけを集めて試合をしても面白くありません。子どもたちの得意分野をその時に発揮させてやるのが自分の仕事だと思っています」

 徳島県出身の竹治監督は、阿南工業高(現阿南光高)野球部で主将として活躍した後、福岡で就職し、中間高で外部コーチを5年間経験。そこから埼玉へ転勤となり、学童野球で審判の手伝いなどをしている時に、保護者からの切実な声を聞いた。

「『野球をするにしても親が大変』だとか『子どもに野球をさせてやりたいけど、私がそこまで本気で付き合えない』というお母さんもいました。もったいないな、と思う気持ちもあり、自分が立ち上げるんだったら、保護者の手がかからないチームを作ろうと思っていました」


ひびきのスターズの集合写真【写真:チーム提供】

■女子チームも結成し魅力発信…「常に改善意思を持ってやりたい」

 そして2017年に再び福岡に戻り、2019年にひびきのスターズを創設。保護者には「できる親が、できることをしましょう」と呼びかけ、審判やスコアつけの手伝いなども、決して無理強いすることはない。

 保護者にも子どもにも優しいチーム運営が評判を呼び、創設5年で部員数は57人まで増えた。ただ、竹治監督が現状に甘んずることはない。今年度から、チーム内の女子9人で構成するガールズチーム「ひびきのハニースターズ」を結成。秋以降の大会にオープン参加することを目標に、月に1度ほど、5年生以下の男子と練習試合を行うなど、「女子野球」の魅力を発信している。

「常に改善意思を持ってやりたいと思っています。その一つが『女子野球』です。女子でもずっと野球を続けてほしいという気持ちもありますし、他のスポーツに行ってもいい。これは理想論ですが、その子たちが大人になって、自分の子どもに何のスポーツをさせようかとなった時、野球が楽しかったら、子どもたちにも野球をさせるんじゃないかと。お母さんの理解があった方が、子どももすんなり入ることができます。長い目で見て、野球界が活性化するんじゃないかと思い、先を見据えてやっているところもあります」

 新興チームだからこそ、時代に則した柔軟なチーム運営が可能になる。ひびきのスターズは、6月3日から5夜連続で行われる「少年野球フェスティバル」にも登場予定。自身の経験から導き出した理想のチームの練習法を披露する。(内田勝治 / Katsuharu Uchida)

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