『Nintendo Switch Sport(ニンテンドースイッチスポーツ)』レビュー:オンライン対戦と体を動かす要素がもたらす白熱のプレイ感
ガジェット通信 / 2022年5月7日 10時0分
リモートワーク化が進んだおかげでここ最近はグッと運動することが減ってしまった。体がなまった上に、だいぶ太ってしまったように思う。
恐らくNintendo Switchの『リングフィットアドベンチャー』は、筆者のような人間のため存在しているのだろう。しかし、随分と前に買ったこともあってか、最近飽きてしまってあまりプレイしていない。このままじゃよくない……そうは思うものの、なかなかきっかけがない。
そんな状況で登場した救世主のようなゲームが『Nintendo Switch Sport(ニンテンドースイッチスポーツ)』だ! 運動を再開する絶好のチャンスを逃すわけにはいくまいと購入したので、せっかくなのでただプレイするだけでなく、本作のレビューをお届けしたい。
6つのスポーツで体を動かす楽しさが味わえる
『Nintendo Switch Sport(ニンテンドースイッチスポーツ)』は、6つのスポーツを詰め合わせたカジュアルなスポーツゲーム。『Wii Sports(ウィースポーツ)』から始まる任天堂のスポーツゲームシリーズ第3作。プレイできるスポーツは、バレーボール、バドミントン、ボウリング、サッカー、チャンバラ、テニスとなっている。
特徴はJoy-Conを使い、実際に体を動かしてプレイするという点。なので、筆者のように運動不足をなんとかしたいがあまり外出する機会はないという人にうってつけなのだ。
ちなみに、体を動かす……といっても、『リングフィットアドベンチャー』ほど大きな動作を要求されるわけじゃない。6つのスポーツはそれぞれ、お手軽にプレイできる形へと落とし込まれている。
チームでの連携が重要? 2vs2で戦うバレーボール
バレーボールは、ビーチバレーのように2vs2で戦う。基本的なアクションは、レシーブ、トス、スパイク。レシーブとトスはJoy-Conを下から上へ動かすことで、スパイクはJoy-Conを下から上へと動かしてジャンプしたのち上から下へ動かすことで発動できる。
自分のチームのもう一人のキャラクターは別プレイヤーが担当するため、チームでの連携が重要。状況によって担当は変わるものの、どちらか片方がレシーブとスパイクを担当すると、もう片方がトスを担当するといったかたちになる。
メンバーのレシーブに合わせてトスしたり、トスに合わせてジャンプ&スパイクしたり……と、タイミングが要求されるシーンが多い。もしかすると、6つのスポーツ中、もっともタイミングが要求される種目かもしれない。
もっともシンプル!? バドミントン
バドミントンはラケット同様にJoy-Conを振って1vs1で戦う。直感的にプレイできるので、6つの種目中、もっともシンプルな形といえるだろう。
シンプルな分熱中しやすく、ラリーが続くとめちゃくちゃアツい。個人的には勝利のよろこびも、負ける悔しさも、もっとも強く味わえる種目だと感じた。
16人の対戦相手と1位を競う! ボウリング
ボウリングは、16人の対戦相手とスコアを競うかたちになっている。Joy-Conのレバーで投げる位置を決めた後、ZRボタンを押しながらJoy-Conを振ることでボールを投げる。Joy-Conを振る際にひねりを加えればボールにフックをかけることが可能だ。
ピンを全部倒せばストライク、1投目でストライクできなかった場合、2投目で残ったピンをすべて倒せばスペアとなるなど、現実のボウリング同様だ。そもそもボウリングという種目が激しい移動を伴うスポーツではないので、6つの中でもっともプレイ感がリアルだと感じた。
大きなボールを蹴ってゴールを狙え! サッカー
サッカーは、6つの中でもっとも現実のスポーツからのアレンジが強い。まず、ボールが巨大なバルーンのようなスタイルになっている。
このボールを、Joy-Conを振ってキック。振る方向によってボールの軌道を変化させることが可能。また、レバーを使うことで自由にフィールドを移動できる。
対戦人数も4vs4と簡略化されているものの、しっかりサッカーを体験できるプレイ感なのがおもしろい。ボールをひたすら追うよりもボールの動きや相手プレイヤーの動きを予測した位置にいることが重要。また、Joy-Conの振り方によってボールの動きを繊細に操ることができ、相手プレイヤーの頭上を抜けるシュートを打つ……なんてことも可能だ。
チャンバラは相手の構えに合わせた打ち込みが重要
チャンバラは、カタナによる攻撃をヒットさせ、相手をフィールドから落とすという種目。操作はJoy-Conを振ることで攻撃、ZRボタンを押すことでガードとなっている。
チャンバラで重要なのは構え。縦方向の攻撃は横方向のガードに通じず、横方向の攻撃は縦方向に通じない。これは斜め方向も同様で、ようするに相手のカタナとクロスするような攻撃はガードされてしまう。
なので、カタナの向きを上手に切り替え、ガードしたり打ち込んだりという呼吸が求められる。カジュアルなチャンバラゲームに見えて、プレイすると真剣勝負のようなスリルが味わえる種目だ。
2vs2のダブルスで勝負! テニス
テニスは、2vs2のダブルスという点が特徴になっている。バドミントン同様、Joy-Conを振ってラケットを動かし、ボールを打つというのが基本。このとき、前衛と後衛のどちらのキャラクターも操作可能となっている。
前衛のキャラクターでスピーディーに打ち返すのか? それとも後衛のキャラクターで確実に打ち返すのか? 前衛と後衛をうまく使い分けて相手のタイミングを崩すことが求められる種目だ。
メインはオンライン対戦! 相手がいると思わず白熱してしまう
ここまで紹介してきた6つのスポーツすべてに共通する特徴が、オンライン対戦がメインということだろう。もちろん、シリーズの既存作品のようにオフラインで対戦することも可能だが、メニュー画面でもっとも大きく表示されていることからも、今回のメインがオンライン対戦であることは間違いない。筆者はこのオンライン対戦という要素こそ、本作最大の魅力だと思う。
やはり、対人対戦というのはシンプルに熱い。ソロプレイのゲームももちろん楽しいのだが、対戦格闘ゲームやFPS、MOBA(マルチプレイオンラインバトルアリーナ)といった対戦前提のゲームは、ソロプレイゲームとは別格の楽しさを持っている。相手がコンピューターではなく生身の人間という点で、勝つよろこびと、負ける悔しさが尋常じゃないほど増幅されるのだ。
本作は対戦格闘ゲームやFPS、MOBAといったeスポーツの種目になるようなゲームと比べ、ゲーム性そのものはとてもカジュアル。休憩時間に楽しむレクリエーションのように、短時間でサクッとプレイできるタイトルだ。
だから、ガチゲーマーにとっては「やりこもう」というモチベーションを感じにくいかもしれない。確かに本作はカジュアルなのだが、その代わりに「体を動かす」という要素がある。
自分の体を動かすということはすなわち、勝ちや負けに繋がるアクションを直接フィジカルに感じるということ。だから筆者は、対戦格闘ゲームやFPS、MOBAといったゲームをプレイするときと同じくらいの白熱を味わった。
この結果、現在右腕が非常に痛い。プレイをするにあたってJoy-Conを思い切り振る必要はないのだが、白熱しすぎたためついつい思い切り振ってしまった。さらに短時間でサクサクプレイできるため、「もう一戦! もう一戦!」とプレイを重ねた結果、痛めてしまったのだ。
……自分でもバカかと思う。だが、逆に言えばバカになるほど熱中できる! 本作はそんなタイトルなのだ。
なお、オンライン対戦を押し出すにあたって、細かい点まで気を配っているところに任天堂らしさを感じた。たとえば、プレイする種目は3つまで選択できる。本作は種目が分かれているため、プレイ人数がバラけてマッチングしづらいという事態にならないための対処だろう。
また、マッチングの状況によっては対戦相手がコンピューターの操るNPCとなる場合もある模様。人によってはNPC相手のプレイを残念に思うかもしれないが、個人的には長時間マッチングで待たされるより、NPC相手であってもプレイできた方がうれしい。特に本作のように短時間でサクサクプレイするタイトルであれば、なおさらそう思う。
今後の配信にも期待! Nintendo Switchを持っているならマストバイな一作
本作は今後、追加コンテンツの配信が予定されている。
今年の夏にはサッカーがレッグバンドに対応予定。実際に足を動かしてシュートできるようになる。レッグバンドというのは、Joy-Conを足に装着するためのバンドで、『リングフィットアドベンチャー』に付属していたものと同じものだ。
また、今年の秋には新種目としてゴルフが配信予定。反射神経よりも繊細な方向コントロールが求められそうなゴルフは、また異なるプレイ感を体験させてくれそうだ。
現時点で十分すぎるほど楽しく熱いのに、今後の配信でもさらに楽しませてくれようとしているのはうれしい点。Nintendo Switchを持っているならマストバイと言える一作ではないだろうか。
文/田中一広
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