ゲキサカ特別インタビュー『岡田武史ブラジルW杯観戦記』後編
ゲキサカ / 2014年9月19日 10時26分
▼『岡田武史ブラジルW杯観戦記』前編
▼『岡田武史ブラジルW杯観戦記』中編
決勝トーナメント サッカーの感動・勝敗・明暗の醍醐味
決勝トーナメントに進んだ16チームのうち、半分はアメリカ大陸の国々だった。そこに地の利を感じずにはいられない。また、決勝トーナメント1回戦は涙が出そうになるような試合の連続だった。W杯は今、このステージの戦いが一番面白い気がする。ベスト8になると疲れが出てくるし、ベスト4になると常連さん同士の腰の引けた試合になりがち。決勝トーナメント1回戦はその点、上を目指す意欲がもろに吹き出る感じがある。
特に私の気を引いたのはチリ、コスタリカ、アルジェリアといったアウトサイダーとみられたチーム。着実に力を付けていると感じた。
6月29日のギリシャ対コスタリカの試合はテレビで解説もしたけれど、たまたまコスタリカ代表と私が泊まった宿舎が同じだった。初のベスト8を決めたあとのホテルにはコスタリカのサポーターが大挙押しかけ、大変な騒ぎだった。もう、みんな涙、涙なわけで。あの光景を見せられたら選手は頑張るしかない。
ドイツに負けたけれど、アルジェリアの奮闘もすごかった。コロンビアに先制されたあとのウルグアイの必死の追い上げも感動ものだったし、ベルギーを苦しめたアメリカの頑張りにも頭が下がった。アメリカは特別、大したことはしていないのだが、勝負を最後まであきらめないガッツはすごい。チームとして一番大事にしているものを見せられたチームと、それを忘れたチームとの落差をしっかりと見た気がした。
『中堅国』と『強国』との間の差は確実に縮まっている
大会全般を通じてコンディショニングの大切さをあらためて感じた。日本は明らかにコンディショニングに失敗したと思う。南米勢はその点で圧倒的に有利だった。
チリは大好きなチームだし、コロンビアもメキシコもよかった。これらの国々は選手の育成をしっかりやっている。指導者と選手の育成システムが整備されているのは日本の強みだったが、そこにあぐらをかいていると、あっという間に置いていかれるリスクを今回、痛切に感じた。チャレンジャーの姿勢を忘れたら、日本はダメになる。
それくらいサッカー勢力図で「中堅」とされてきた国々が、猛烈な勢いで大国との差を詰めているように感じる。サッカーというスポーツはルール変更が頻繁にあるわけではない。1974年の西ドイツ大会でオランダが示した「トータルフットボール」のような革命的変化も起きにくくなっている。競技として相当に成熟しているのだ。そういう全体像の中で各国の成長曲線で見たとき、上位の国々は高原状態に陥っており、追いかける側との距離は確実に縮まっている。
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