ドイツやスペインを引き合いに出す長谷部「本当に強いチームが優勝する」
ゲキサカ / 2015年1月10日 13時13分
ザックジャパン時代、アジア杯を迎えてもピリッとしない若手選手にカツを入れた4年前とは違う。
自身2度目のアジア杯を目前に控えたMF長谷部誠(フランクフルト)は「自分自身があのときとは違うし、周りの感じ方ももちろん違う」と静かな口調で切り出し、こう言った。「今回のチームには経験のある選手が多いので、みんなが言わずとも分かっている。経験ある選手を見て、若い選手が感じ取ることも多いと思う」
今回のアギーレジャパンのメンバー構成の特徴の一つは、23人中、アジア杯経験者が実に10人を数えるということだ。これは遠藤らわずか数人しかアジア杯経験者のいなかった4年前のザックジャパン時代と大きく異なっていることだ。
連覇を目指す今大会では、期待も以前に比べてさらに膨らんでいる。長谷部自身、「自分たちのアジアでの立場を考えると、優勝が目標になるし、周りからも優勝をすごく期待される」と、状況をしっかりと心得ている。期待された中で優勝するという難しさも当然理解している。だからこそ、こう言う。
「2010年(南アフリカW杯)のスペインや、(昨年のブラジルW杯の)ドイツ。優勝するだろうと言われているチームが優勝する難しさもある中で、本当に強いチームが優勝している。ここで自分たちがしっかりと一戦一戦を戦ってタイトルを取れれば、アジアでの自信がさらにつくと思う」
タイトルのためには、まずは初戦のパレスチナ戦で手堅く勝ち点3を取ることが重要だ。開幕戦では格上のオーストラリアがクウェートに試合開始早々、先制点を奪われるという展開になった。最終的には4-1でオーストラリアが逆転勝利を収めたが、先に点を取られればその後の試合運びが難しくなるのは当然のこと。
「この大会に限らず、短期決戦では初戦が大事だと感じる。昨日のオーストラリア戦を見ていても先制されているし、難しいと思う。最初からしっかり入るというのは大事」
長谷部が「今の選手はそういうことを分かっている」と感じている今回は、選手同士でのミーティングをまだ行っていない。ただし、必要があると感じたとき、選手間で要望が出たときに行動を起こすことはやぶさかではない。有事には立つ。長谷部はその気構えで冷静にチームを見つめている。
(取材・文 矢内由美子)
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