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[総体]「今年は1冠も育英に取らせるつもりはない」桐生一が選手権準Vの前橋育英破り、全国へ!!:群馬

ゲキサカ / 2015年6月21日 23時34分

 後半、前橋育英はCBとして先発した尾ノ上幸生主将(3年)をボランチへ上げると7分、尾ノ上が右足アウトサイドキックで右サイドへ絶妙な展開。カットインした関川が左足を振りぬいたがこれは桐生一DFがブロックし、14分には中央から野口が仕掛けてPA左へこぼれた球にMF大塚諒(2年)がフリーで走り込んだものの、桐生一はGK休石陸(3年)がビッグセーブで弾き出す。12分に10番MF横澤航平(3年)を投入した前橋育英が攻勢に出ていたが、田野監督が「育英相手に下がっちゃうと好き勝手やられちゃうから。押して、押していかないと」というように、桐生一は引かない。また一宮が「新チーム発足してからタフなチームをテーマにやってきた。みんなハードワークして相手よりも走るということを言っているので、良くやっていると思います」という桐生一は運動量多く前橋育英のパスワークに食い下がり、球際で諦めずにスライディングしたり、身体を当てるなど最後の一歩で相手の攻撃をわずかに狂わせる。

 滝沢ツインズはじめ個々のレベル高い桐生一は、攻撃面でも相手のプレッシャーをDFが剥がして前進すると、MF島田祐輔(3年)の配球から滝沢和や井上がドリブル、クロス。そして17分、桐生一はカウンターから滝沢和が個人でPA手前まで持ち込んでFKを獲得する。これを滝沢和の双子の弟、滝沢昴が右足で狙うと、ボールはゴール左隅へ吸い込まれた。大きな、大きな2点目を奪った桐生一はその後もチャンスを連発。21分には今泉とスイッチして抜け出した木暮が決定的な右足シュートを放つ。GK山岸のビッグセーブでこれを阻止した前橋育英は24分、26分と野口にチャンスが訪れたが、決めることができない。桐生一も相手のミスを突いた滝沢和がGKと1対1になるなど仕留めるチャンスをつくりながら試合を決定づけることができなかった。1点奪い返すことができれば前橋育英にも勝機は十分にあったが、35分にPAで横澤が放った振り向きざまの右足シュートはGK正面。選手交代を繰り返しながら「相手にやりたいことをやらせずにできたと思います」(滝沢昴)と前橋育英の反撃を振り切った桐生一が2-0、全4試合無失点で試合終了の瞬間を迎えた。

 「(育英は)強かったです」と振り返った一宮は全国大会へ向けて「育英が準優勝したんで超えるには全国制覇しかない。インターハイ出るのは久々なので一戦一戦目の前の試合に勝つことを目標にして、もちろん全国制覇を目指していますし、とにかくチーム一つになって選手権へ向けていい経験ができればと思っています」。また木暮は「昨年の選手権準優勝の育英を破ったということで自信になりましたし、全国へ向けていい弾みになりました。持ち味のハードワークとか活かして走りだけでは負けないように、(全国では)優勝狙いたいです」と意気込んだ。最大の目標は選手権で三度前橋育英に勝ち、そして今年は自分たちが主役となって日本一になること。それへ向けた経験を積むための夏だが、群馬代表は高い目標を持って全国舞台に立つ。

(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
【特設ページ】高校総体2015

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