新たなCLへの道となるか? 「日本人東欧クラブ買収」
ゲキサカ / 2015年12月15日 7時39分
立川氏は会見でこういった問題意識も明らかにした。「13-14シーズンには4人いたチャンピオンズリーグ本選進出選手が、今季は0人になった。この問題も将来的には改善したい。現地のクラブ文化を尊重し、吸収しつつも日本人選手が常にCL、EL本選に出場できる状況をつくりたい」
一方で、現状をこうも認識している。「既存のクラブでも代表選手は多く、国内ではビッグクラブ。しかしCLやELの予備予選に出るとどうして力の差を感じる。そこはエイヤーと気合を入れて戦ってもどうにかなるレベルではない。かといって、スター選手を獲得すれば良いということではなく、チームそのもののステージを抜本的に高めなければいけない」。つまりは、国内リーグでの地盤を維持しつつ、少しずつベースをアップする作業に取り組むことになる。
CL、ELの出場フィー獲得以外の経営ビジョンとして紹介されたのが、「日本人選手獲得」と「ユース部門の強化」だ。EU圏外のマケドニアリーグの外国人枠が「登録は4人、同時にプレーも4人」が可能だ。一方でこれ以外にも、マケドニア協会に5000ユーロ(約55万円)を支払えば、国内リーグに限り追加登録も可能だ。
これを受け、バブンスキー氏はこんなプランを明かした。
「可能な範囲内で日本人選手を多く獲得していきたい」
これはユース年代の選手にも当てはまることだろう。池田氏はクラブの今後の展望として「ユースチームの強化」を挙げた。「日本からの資金で環境をより整備し、良い選手を育ててチームを強化したい。質の高い選手が外国のクラブにも獲得されるような流れをつくりたい」
天然芝2面、人工芝2面という同国有数の練習施設を有するラボトニツキは、ユース世代の実力でもこの国のトップクラブだ。所属選手のほとんどが同国の年代別代表に選ばれている。「今後、日本の高校・大学・Jリーグとコミュニケーションを取らせていただきつつ、選手の迎え入れに取り組んでいきたい。欧州での厳しい競争に挑んでいただきつつ、受け入れ先のオーナーは日本人という安心感を訴求したい」(池田氏)。トップ、ユースの双方で「新たな日本選手の欧州での拠点づくり」。この点も経営参画での大きな狙いのひとつだ。
今回の経営参画には、当然、課題も出てくることだろう。「マケドニア現地の悩みとして、マーケット規模の小ささがある」と立川氏はいう。国土が九州の3分の2ほどしかない小さな国なのだ。何より、マケドニア国内リーグで現状を維持しながら、成績を上乗せしていくマネジメントは簡単なことではない。結局は、既存の経営努力を粘り強く続けていくことになるだろう。
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