「終わっちゃうかもな」からの逆襲…一歩ずつ階段上がる川崎F奈良
ゲキサカ / 2016年4月15日 17時53分
昨季は不本意な1年を過ごした。下部組織から育った札幌を離れてFC東京に期限付き移籍したDF奈良竜樹だったが、リーグ戦での出場はなし。悔しさだけが募った。今年1月に行われたAFC U-23選手権(リオデジャネイロ五輪アジア最終予選)に出場したU-23日本代表の一員として、アジア王者に輝いた若武者は完全移籍した川崎フロンターレで輝きを取り戻し、さらなる成長を誓う。
試合に出ないことが
当たり前になっていた
――川崎Fのサッカーには馴染んできましたか。
「川崎での生活にはだいぶ慣れましたが、サッカーにはまだ慣れない部分もありますね。ボールを受けてから次のプレーに移るスピードやパスのテンポとか、速さについていけていない部分があるので、もっともっとレベルアップしないといけないと感じています」
――今季、川崎Fに移籍をしましたが、移籍を決断した理由を教えてください。
「去年、FC東京でリーグ戦に出られなくて、このまま東京に残って次の年も同じ状況になったときに、プラスに働くことがあまり見出せませんでした。ただ、せっかくJ1に挑戦するために札幌から出てきたのに、1年出られなかっただけで札幌に帰りますというのは、逃げているだけじゃないかと思った。札幌に帰るという決断にも踏み出せなかった中で川崎から話を頂いて、自分が成長できるクラブだと思えたし、攻撃のイメージが強いチームの中で頑張って守備を強くしたい気持ちもあって移籍を決めました」
――札幌に復帰するという考えもあったのでしょうか。
「札幌に帰ればもしかしたらたくさん応援してもらえるかもしれませんし、自分的には充実した気持ちになれたかもしれません。戻ろうと考えたこともありましたが、果たして自分は本当に成長できるのだろうか、自分が味わった悔しさを本当の意味で晴らせるのだろうかと考えたときに、札幌には今、このタイミングでは帰れなかった」
――味わった悔しさというのは、昨季のリーグ戦で出場がないなど、FC東京で苦しい時間を過ごしたことですか。
「やっぱり、あれだけ試合に出られないことはサッカー人生でなかったし、最初の頃は試合に出られなくてすごく悔しかった。ただ、徐々に試合に出ないことが当たり前になってきて、『これじゃあ、終わっちゃうかもな』という気持ちが正直ありましたね」
――そういう気持ちになると、日頃のトレーニングにも影響があったのでしょうか。
「いや、練習はメチャクチャやるんですよ。すごく真面目に、練習後も自分なりに取り組んで、その後にウエイトトレーニングをやって、走って。ただ、練習でやることをやって、満足してしまっている自分がいました」
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