プレミアリーグ開幕直前インタビュー!U-23代表・手倉森監督「ユース年代の時に持っていた志が5年、10年経ってからの差になる」
ゲキサカ / 2016年4月15日 17時48分
高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2016プレミアリーグが4月9日に開幕する。プレミアリーグは11年のスタートから今年で6年目。初年度のプレミアリーグを経験したMF中島翔哉やDF室屋成、MF原川力、MF矢島慎也、DF奈良竜樹、FW南野拓実といった選手たちが今年1月、U-23日本代表の主力としてリオデジャネイロ五輪の出場権を獲得した。そのU-23日本代表を率いた手倉森誠監督が、ユース年代の魅力やリーグ戦開催の意義、自身の高校時代に目標として掲げていたことなどについて語った。
―手倉森監督はユース年代の魅力をどのように感じられていますか?
「可能性ですよ。その気になったらその気になれる年代。ボクはユース年代の時に高校選抜でヨーロッパとか遠征に行かせてもらいました。アジアでは韓国とかに痛い目に遭いましたけれど、ヨーロッパとかに行ったら互角に戦えました。ただ、アジアのチームが力のあるところを見せると、ヨーロッパのチームはさらにレベルアップしてしまう。ボクらの年代だったら18歳くらいまでは同等にできていた。でも、今は離されてきている気がします。日本が進化してきたように、ヨーロッパも進化してきている。その要因のひとつが、フィジカルです。フィジカル分野を育成年代から真剣に取り組み始めたのがヨーロッパです。今では全然体格が違う。プロクラブが有能な選手を預かってプロの生活リズム、食事の摂り方を身につけさせている。経済大国である日本でも、これをやろうと思ったらやれることだと思います。クラブでなければ難しいと諦めるのではなくて、個人が周りの方と協力しながらやっていけば変われると思います。
そう考えると、日本(の育成)はまだまだやり切れていない部分があると思います。でも、やり切れていない中でもレベルアップしてきたことを考えると、日本はよほど可能性があるということが言える。ユース年代の時に持っていた志が5年、10年経ってからの差になります。Jリーグや世界に出てからではなく、ユース年代の時の姿勢、志。それをもっと高めれば、日本は物凄くいい国になると思います」
―将来のための貯金をしなければいけません。
「試合数が増えていますが、それを戦い抜けるフィジカルを身に付けることにしっかり向き合える年代にしなければいけない。ハリルホジッチ監督は日本に来た時に、『サッカー選手である前にアスリートであれ』と言っていました。アギーレ監督もそう言っています。ジーコ監督もザッケローニ監督もワールドカップに負けた時にフィジカル、メンタル面について言っている。それはトップチームが負けた時に言うのではなくて、ユース年代からの意識付けだと思います。スプリント力とか、パワー・スピード持久力というところはアスリートがサッカー選手になっているヨーロッパに比べたら低い。サッカーは総合的な要素が一番求められる。日本サッカー協会はアクションプランで掲げて、フィジカルの重要性を育成年代から取り組まなければいけないと話したばかりです。フィジカルのトレーニングとメディカルのケア。これが充実してこないと選手はなかなか伸びてこない。これを充実させてからリーグ戦を行っていく。リーグ戦を戦えばOKではなくて、実はここを整えないといけない。指導者たちが頑張っていかないといけない部分です。
日本の持っている敏捷性、隣の選手と連動できる賢さ、これに加えて、ヨーロッパが育成年代から大事にしている筋量の多さやスプリント力という部分を食事やトレーニング環境、メディカルの側面から整えられたら、日本は初めて強くなると思います。それには、育成年代を取り巻く指導者の意識が重要ですし、そこにもっと取り組むべきだと思います」
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