“飛び級出場”で大会得点王獲得!FC東京U-18FW久保建英「もうちょっと右足も上手に…」
ゲキサカ / 2016年8月5日 12時16分
ピッチでの凛とした佇まいとは違い、試合後は柔らかな15歳らしい素顔をのぞかせた。FC東京U-18は清水エスパルスユースに2-0で勝利し、8年ぶり3度目のクラブユース選手権(U-18)制覇を遂げた。高校生年代の大会で、得点王に輝いたのはFC東京U-18所属のFW久保建英(中3)だった。清水ユースMF滝裕太、大宮ユースFW小柏剛との同時受賞で個人タイトルを手に入れた。
日本一となったFWは「自分にとって初タイトル。本当に勝てて良かったと思います」と顔をほころばせた。バルセロナから戻ってきて日本で戦う15歳。まずはキャリア“一つ目”のタイトル獲得となった。
準決勝・川崎F U-18戦で、後半から出場すると0-1の後半2分に反撃の狼煙となる鮮やかなFKを沈め、大会通算5得点とした。決勝戦では後半17分からの出場。得点こそなかったものの、しなやかな身のこなしで相手DF2人の間を割るプレーをみせたほか、随所で正確なテクニックを披露。“飛び級”でも十分にやっていけることを示した。
試合後、得点王を獲得した久保は「自分のゴールで少しでもチームの雰囲気が良くなったらいいなと思ってプレーしていたので。結果的に得点王になったんですけど、決めるだけのゴールが多かった。チームの総合的な上手さが自分のゴールにつながったと思うので皆に感謝しています」と謙虚に口にする。
この日の試合で放ったシュートは、後半44分のわずか1本。PA左から中へ切れ込んでの右足シュートはポスト左へ外れた。鋭く切れ込んでのプレーにスタンドは沸いたが、本人は悔しさをのぞかせる。
「いい形で中に切れ込めたんですけど、最後に少しバランスを崩してしまって……ちょっとシュートが流れてしまったので、もうちょっと右足も上手に蹴れるようになりたいなと思いました」。準決勝では利き足の左足で華麗なFKを決めていたが、逆足の精度向上も誓っていた。
試合後には表彰式が行われ、得点王を獲得した久保はメダルを手に無数のフラッシュを浴びていた。バルセロナから戻り、再び日本でプレーするFWへ向けては、スタンドの少年たちから「久保くん! 久保くん!」と声も上がった。
その実力や、周囲による期待の高さから“異次元の15歳”と見られがちだが、「自分は小学生の時とか全国大会を見に行っていて。自分もいつか日本一になりたいなと思っていたので。なれて嬉しいです」と言うと、あどけなさ残る笑顔を浮かべた。どこにでもいる15歳の表情だった。
久保は中学3年生ながら、高校生の先輩たちに混じってプレーしている。それについては戸惑いはないようで「年上の、日本一のチームで日々練習できていることが、すごく恵まれすぎているんじゃないかなというほどで。そういうなかでも上手くなりたいので、自分を出すところは出して、みんなから吸収できるものはできるだけ早く吸収したいなと思ってやっています」と口にした。
無限の可能性を秘めた中学3年生は今、FC東京U-18の仲間たちと共に、新たなる道を歩んでいる。東京におけるサッカーの聖地、そういえる西が丘で、久保建英がキャリア一つ目のタイトルを手に入れた。
(取材・文 片岡涼)▼関連リンク
【特設ページ】第40回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会
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