[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:裏返った結果。カナリア軍団の3年生が見せた意地(帝京高)
ゲキサカ / 2016年9月13日 18時3分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
それを知ったのは試合当日だった。「ずっと『オマエらは弱いんだから“青”だ』と言われていて、もう着せてもらえないかと思っていた」憧れの“黄色”を着用して試合ができる。高校選手権。黄色のユニフォーム。國學院久我山高。中瀬大夢の脳裏には、まったく同じ3つの要素が揃った1年前の光景が甦っていた。
2015年11月14日。味の素フィールド西が丘で、國學院久我山との高校選手権予選決勝に挑んだ帝京高。戦前の予想では圧倒的な久我山有利が囁かれていたゲームで、6年ぶりの全国大会出場に意欲を燃やすカナリア軍団は、おなじみの黄色のユニフォームを着て奮闘を見せる。3連覇を目指す難敵を相手に、守備に軸足を置きながらも何度も決定機を創出。「持てる力はあれで100パーセントでしょうし、常に高校生が100パーセントを出し切れるという保証はないので、そう考えれば良くやってくれたと思います」と普段は辛口の日比威監督も認める内容で、延長戦も含めた100分間はスコアレス。勝敗の行方はPK戦へと委ねられる。お互いに1人目が失敗したものの、以降は確実にゴールネットを揺らし続けた中で、しかし最後は後攻だった帝京の7人目が枠を外してしまう。降り続いていた冷たい雨も、帝京にとっては涙雨。久々の全国へと続いていたはずの扉は、その目前で閉ざされることとなった。
ファイナルに2年生でただ1人だけフル出場を果たしていた中瀬は、自分たちも手の届き掛けていた全国の舞台で國學院久我山が躍進していることは知っていたものの、「正直イライラしていて、あまり試合も見たくないなと思っていた」が、改めて「これは素直に受け入れるしかない」と思い直し、自らが最高学年となる新たなシーズンへと気持ちを切り替えていた。新チームが立ち上がり、4月6日のリーグ戦で國學院久我山とのリターンマッチを迎えた帝京。ただ、そこで彼らを待っていたのは0-3というスコア以上の完敗と、「選手権の時よりチームとしてもそうだし、去年出ていた選手とは個人としても差が付いていた」(中瀬)という現実。この敗戦は「このままではいけない」という危機感を強く持つ1つの契機になったが、それが結果に繋がらない。またもPK戦での敗退となった関東大会予選を経て、総体予選は一次トーナメント決勝で私立武蔵高に1-2と屈し、リーグ戦でも11試合を戦ってわずかに1勝。白星に恵まれない日々が続く。
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