[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:“第2GK”の矜持(成立学園・伊藤快)
ゲキサカ / 2016年10月20日 19時5分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
この日のために3年間厳しい練習に耐えてきたんだ。昨日の夜はちょっとドキドキしたけどもう大丈夫。自分にやれることは限られている。それを試合で表現できれば、自ずと良いプレーはできてくるはずだ。「絶対にうまく行く」。GKコーチの言葉を頭の中で反芻する。よし、行こう。伊藤快は気合いを入れ直し、自身にとって3試合目となる公式戦のピッチヘ走り出した。
高校選手権東京A準々決勝。実践学園高との一戦を迎えるに当たり、成立学園高をアクシデントが襲う。これまで今シーズンのほとんどの公式戦に出場してきた守護神の園田悠太が負傷。試合出場が難しくなった。この緊急事態の中、スタメンのGKに抜擢されたのは宮内聡監督も「Tリーグで2試合は出しているんですけど、あくまでも“第2GK”としての試しというか、何かがあった時のためにということでの起用でした」と言及した伊藤快。言うまでもなく選手権は負けたら終わりの一発勝負。重要な80分間のゴールマウスは、“第2GK”に託されることとなった。
「キーパーというのは、選手とコーチが近い存在じゃないですか。快とは色々ぶつかることもあったり、なかなか自分が伝えようとしていることを彼が理解できないこともあって、そういう中で過ごしてきたので、“親心的”な不安要素はありました」と話すのは山郷のぞみ。日本代表として国際Aマッチ96試合に出場し、4度のワールドカップも経験している女子サッカー界のレジェンド的存在の山郷は、昨シーズンから成立学園のGKコーチを務めているが、「みんなが3年間で一番目標にしていた選手権の場面で、『誰が出ても良いパフォーマンスを出す』という私の中での目標があって、例えば『園田がケガした時にすぐ準備できるようにしておけよ』という意識付けをしてきたので、周りの選手はそういう意識でいつもやっていると思うんですよね」という彼女にとっても、この一戦は就任からの2年間で自らが実践してきた指導や“意識付け”が、GKグループ全体に浸透していたかどうかを問われる舞台になる。ただ、前述した不安要素はあくまで親心。「ここまで積み上げてきた『今日はGKグループの代表として出る』という自覚は、彼の中にあるはず」という信頼もあった。“親心的”な不安とGKコーチとしての信頼。2つの相反する想いを抱えながら、それでも山郷は確信を持って伊藤をピッチヘ送り出す。
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