四度の手術、J入り破談を乗り越え…二浪で日本文理大進学、MF藤田恭輔の4年間
ゲキサカ / 2016年12月8日 8時8分
それでも真摯に目の前の仲間たちと向き合い、出来ることから必死に取り組んだ。チームの雰囲気に呑み込まれていくのではなく、自分から多くを発信し、組織を変えていこうと努力を重ねた。
「びっくりしましたよ、最初は。グラウンドとか環境以前に、練習内容だったり、選手のモチベーションや実力ですね……。今までトリニータでやっていて、実力がそれなりにあって。言わずしてもわかる共通意識や連動できるところがあったんですけど、全然意思疎通もできず、守備の仕方もわからない。攻撃はどうすればいいの?と。僕は司令塔という形で結構コーチングをしながら、4年間ずっとやってきて。ようやく分かってきたのかなと……」
大学1年時は九州リーグで9位だったチームは、翌年は5位。2015年は6位につけ、今季は2位でフィニッシュ。13年ぶり三度目となるインカレ出場を果たした。藤田の4年間は結果につながり、恩師である由利監督へ最高の恩返しとなった。
この日のインカレ1回戦。専修大に先攻される形となったが、二度追いつく粘り強さをみせた。関東の強豪校を押し込み、圧倒する時間もあった。前線のアタッカー陣が次々と動き出しては、ゴールへ迫った。そんなチームを藤田は中盤から支えた。悔しくも3失点目を喫し、2-3で敗れたものの、全国舞台で日本文理大が戦えることは十二分に示した。
「4年生最後の年で全国へいけたのは良かったです。全国で1回戦も勝ってないので、とりあえず一勝を挙げたいなと臨みました。試合のなかで自分たちの実力でやれるなと感じがありましたし、点も取れましたし、勝てるのかなという手応えもあったので、それが悔しいです。勝てると思ったからこそ悔しいです」
「4年生だけだと力不足でしたけど、後輩のCFW(児玉怜音)やCB(西村大吾)など。彼らがいたからこそ、ここに来れたかなと。本当に下に支えられたかなと思います」
入学当時は2歳下の同級生から敬語を使われていた。それでも「4年間一緒にやっていくなかで、それは嫌だなと。僕から敬語を使わなくていいからと言いました」と声をかけた。今では「下級生からも“おっさん”といういじりもしてくれるので、逆にありがたいですね」と笑うとおりだ。
主将として藤田とともにチームを引っ張ってきたFW中山佑樹(4年=筑紫台高)は「最初は敬語でしたけど、恭輔くんから“普通に接して”と言ってくれて。今でも恭輔くんが“おい”って言ったら、みんな“すみませんっ!”ってなりますけど(笑) でも本当にいい関係が作れているんです」と冗談交じりに胸を張る。ぎこちないスタートとなった同級生たちが、今では最高の仲間になった。
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