[プレミアリーグEAST]“北の名門”に新たな歴史!細部にこだわり、年々強さ増してきた青森山田が初優勝!
ゲキサカ / 2016年12月13日 13時40分
前線からプレスを掛けてFC東京に自由なパスワークを許さない。それでもセカンドボールを収めて攻撃するFC東京は少しでもプレスが甘ければチャンスをつくり出す。12分にはMF生地慶充(3年)の右クロスからFW内田宅哉(3年)が右足ダイレクトボレー。27分、44分にはいずれも右サイドのパス交換から斜めに切れ込んだ内田が決定的なラストパスをPAに入れた。
だが、青森山田は来季FC東京へ加入するU-19日本代表GK廣末陸(3年)やCB橋本恭輔(3年)、CB小山内慎一郎(2年)が中央の攻防で決して譲らない。また、逆サイドから入ってくるラストパスを右SB小山新(3年)と右SH嵯峨理久(3年)、左SB三国スティビアエブス(3年)と左SH檀崎竜孔(1年)がしっかりケアして決定打を打たせずに阻止し続ける。加えて1トップのFW鳴海彰人(3年)や嵯峨がカウンターから一気にFC東京DFラインを強襲する怖さも見せていた青森山田は、前半を0-0で折り返した。
後半、FC東京は執拗にサイドから仕掛けてその局面を破る回数を増加。だが、黒田監督から「2、3m距離を離されてしまうと色々なことをされてしまうので、1.5mくらい。相手のすねを蹴れるくらいの距離でついていけと」いう指示を受けていた青森山田は、個々が強度の高い守りを徹底し、1人かわされても非常に献身的に走り続けていた住永ら誰かが即座にカバーして枠にシュートを打たせない。
逆に青森山田は苦しい展開の中でも、最前線の鳴海を軸に1チャンスを狙い続ける。14分には檀崎が鮮やかな切り返しから左サイドを破ってクロス。こぼれに反応したMF郷家友太(2年)のシュートがポストをかすめた。一方、1点を奪うことができれば、形勢逆転して優勝へ近づくFC東京は、徹底したサイド攻撃。そして後半24分にFW松岡瑠夢(3年)、31分には前日U-19日本代表のアルゼンチン遠征から帰国したばかりというMF久保建英(中学3年)をピッチへ送り出して1点をもぎ取りにいった。だが、立ちはだかった青森山田の厚い壁。FC東京の佐藤一樹監督は「しっかり要求したことはやっていたと思いますし、そんなに想定外のことが起こったかというと起こっていない。もっとチャンスをつくれないといけない」。互いに待望していた1点は我慢強く戦い続けた青森山田が奪い取った。
後半40分、青森山田はPAやや外側でこぼれ球を拾った交代出場FW佐々木快(3年)が強引にPAへ切れ込んで相手DFのファウルを誘い、PKを獲得。大仕事をしてのけた佐々木快がガッツポーズを何度も繰り返す。そして、重圧のかかるPKをエース高橋が右足で決めると、雄叫びを上げながらベンチの控え選手たちの下へ駆け寄った10番高橋を中心に歓喜の輪ができた。優勝するためには2点が必要となったFC東京はここからもう一段階ギアを上げることができない。一方、各選手が声を出し続け、全く集中力が途切れない緑のユニフォーム。4分間のアディショナルタイムを含めて戦い抜いた青森山田が1-0で勝ち、1,100人の観衆の前で初優勝を決めた。
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