C・ロナウドの得点後のビデオ判定はVARのミスと認めたFIFA会長、W杯での導入にも意欲
ゲキサカ / 2016年12月17日 17時51分
クラブW杯でFIFA主催大会では初めて試験的に導入されているビデオアシスタントレフェリー(Video Assistant Referees/VARs)について国際サッカー連盟(FIFA)および大会組織委員会は17日、横浜国際総合競技場で記者会見を行った。
会見にはFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長のほか、FIFA技術部門チーフのマルコ・ファン・バステン氏、FIFA審判部トップのマッシモ・ブサッカ氏が出席。インファンティーノ会長は「(VARを)使ってみた結果、とても勇気づけられている。とても良い結果だ。我々は学んでいる途中であり、検討しないといけないこともあるが、ここまでの結果は非常に良いもの。なぜなら、主審がいつも正しい決断を下し、正義と透明性を実行できるからだ」と、ポジティブな評価を下した。
14日に行われた鹿島対アトレティコ・ナシオナルの準決勝で初めてビデオ判定が適用され、ビクトル・カサイ主審が見落としたA・ナシオナル側のPA内でのファウルをVARが確認。鹿島にPKが与えられた。15日のレアル・マドリー対クラブ・アメリカの準決勝でもFWクリスティアーノ・ロナウドが得点を決めた際、オフサイドがあったかどうかの確認のためにビデオ判定が行われ、結果、当初の主審、副審の判断どおりに得点が認められた。
しかし、いずれのケースでもビデオ判定のために数分間、試合が中断。ピッチ上の選手にもスタンドの観客にも分かりづらく、さまざまな意見が出た。鹿島の石井正忠監督は「試合の流れが途切れてしまうのは僕としては少しどうかなと思う」と苦言を呈し、レアルのMFルカ・モドリッチは「私は好きではない。混乱を巻き起こすし、これが続いてほしいとは思わない」と、ハッキリと異を唱えた。
こうした声に対し、インファンティーノ会長は「時間がかかる、何が起こっているのか分からないなど、いくつかの批判がある」と認めたうえで、「だから試験しているし、改善していく。(試合に対して)最小限の干渉で最大限のメリットをもたらすことができると思っている」と力説。ブサッカ氏も「時間がかかると言っても、20分、30分かかるわけではない。選手もCKを蹴るのに1分かけることもあるし、ケガで試合が中断することもある。(ビデオ判定で)58秒伸びたからと言って、大きな間違いがあったかどうかの確認にそれぐらいの時間を費やすことに大きな問題はないのではないか。レフェリーは満足している」と、審判部の立場でコメントした。
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