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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:めぐる時代の真ん中で(國學院久我山高・平田周)

ゲキサカ / 2017年2月19日 9時44分

 ここ数年よりは2か月近くも早い始動となった新チーム。「上級生に最高の想いをさせてもらった次の年に最悪に近いシーズンを送った訳ですから、こういう所で責任を背負ってもらって、それをチームにどうやって生かせるのかが、また彼が大きくなるためには必要かなと思ったんです」という清水監督と時崎一男部長は平田をキャプテンに指名する。彼には2人のモデルとなるキャプテンがいた。1人は一昨年度の宮原直央。もう1人は昨年度の名倉巧。「宮原キャプテンは色々な気配りができたりとか、そういう真面目なタイプで、名倉キャプテンはどちらかというとプレーで引っ張るようなタイプだったんですよね」と分析する平田は、「自分はもうちょっと気持ち系というか、パワフルでエネルギッシュな感じをチームに与えられたらいいのかなと思って、そういう部分は凄く意識してずっとやってきています」と自らの役割に言及する。

 キャプテンとして初めて臨んだ12月の合宿では、気付いたことがあった。6時半からの朝食に際し、6時10分には1年生が準備のために食堂へ集合し、2年生は6時25分前後に集まってきていたが、あるタイミングで時崎部長に「キャプテンのようなヤツが一番最初に来て示しをつけるというか、やらなきゃいけない雰囲気を創るのもオマエの役目なんじゃないか?」と問い掛けられ、「『ああ、その通りだな』と思って」それを実行し始めた。「チームの先頭に立っていくことはそういうことなんだなと凄く思いました。でも、そう言われるのも凄く嬉しかったですし、結構そう言われたら意気に感じますね。怒られても『こういう怒られ方をするのもオレだけかな』みたいに勝手に感じています」と明るく笑った平田。「やることも多いですけど、そういうのは嫌いじゃないので」と続けた守護神は元々キャプテンに向いているのかも知れない。

 年が明けた1月5日。知りたくなくても選手権の情報は否応なく周囲から入ってくる。「どれだけ注目される舞台か知っているので、他の誰かが注目されていることにも『何だよ』という嫉妬心やジェラシーもあったし、自分への怒りというのもあった」平田は、それでも「生で見ないと意味がないかな」と等々力陸上競技場に足を運んでいた。1人で見ていると途中で帰ってしまいそうな予感もあったため、数人の友達と連れ立ってスタンドから見た選手権。「悔しい想いの方が強かったですけど、刺激も随分もらいましたね」と正直な想いを口にする。とりわけ一昨年度の決勝で苦杯を嘗めさせられた東福岡と東海大仰星高の一戦からは得るものが少なくなかった。「ヒガシが仰星に負けるのを見て、サッカーの難しさというか、『強いだけでは勝てない』というのも改めて感じましたし、『本当に力を出したい所で出せなかったら簡単に負けてしまうんだな』というのは外から見て凄く思いました」という等々力のスタンドで、「本当は見たくなかった」選手権を体感した平田は、湧き上がる色々な感情を自らの中へ確かに刻み込んだ。

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