[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:“勝負の年”以上の1年(富山・佐々木陽次)
ゲキサカ / 2017年3月14日 21時9分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
自らが再び纏うことを夢見ていた青赤の若武者たちとピッチ上で対峙する。「今日のスタジアムの中で一番気合が入っていたんじゃないですか?」という問いかけに、「そうですね」と即答した男は「色々な想いがあって、今日の相手のことを考えても、やっぱり燃えていましたね」と静かに言葉を紡いだ。2017年は「“勝負の年”以上というか、本当に自分がまた上がっていけるか、下がっていくかが明確になる1年」と位置付けている。佐々木陽次(カターレ富山)が挑む決意のシーズンは、“後輩たち”との90分間でその幕が上がった。
富山から単身で上京したのは15歳の春。ナショナルトレセンにも選出されていた佐々木は、いくつかの選択肢の中からFC東京U-18の門を叩く。同期には武藤嘉紀(マインツ)、廣木雄磨(山口)、松藤正伸(沼津)らの実力者が揃う中、1年時から出場機会を得ると、最高学年となった3年時には10番を託される。橋本拳人(FC東京)とドイスボランチを組むことの多かった当時を、「あの時は流れも何も考えずに『ボール寄こせ。オレがやってやるから』という勢いだけでした」と笑って振り返る佐々木。チームは高円宮杯、Jユースカップと2度の全国準優勝を経験したものの、その年のトップ昇格者はゼロ。それぞれが大学へと進学していく中で、佐々木も東京学芸大学へその進路を定めた。
大学でも1年の前期リーグ開幕戦でいきなりスタメンに抜擢され、以降も主力としてコンスタントに出場を重ねていく。ただ、チームは2年時を除いて2部生活を余儀なくされ、自身も結果に恵まれない日々が続く。結局、帰るはずだと信じていたFC東京からのオファーは届かず、「あれほど落ち込んだことはなかったですし、ああいう悔しさは本当に思い出したくないですね」という佐々木は徳島ヴォルティスへと加入することになったが、15試合に出場したルーキーイヤーから一転して、昨シーズンは一度もリーグ戦のピッチに立つことは叶わず、「イメージしていた自分とはかなりギャップがあったので、『ここで地元に戻っていいのか』という気持ちもあって凄く迷った」末に、2017年は富山の地で再起を懸けた1年間を過ごすことを決意する。
地元での躍動を誓った新シーズン。なかなか振り向いてくれなかったサッカーの女神は、佐々木にある“偶然”を用意する。開幕戦の相手はFC東京U-23。「FC東京とのホームゲームとアウェイゲームでは『絶対自分がゴールを決めてやる』という想いは、富山に来ることを決めた時にも思っていた」彼にとって、カターレデビューとしてこれ以上のシチュエーションはない。しかも相手チームを率いる中村忠監督は、ナショナルトレセン時代に指導を受けたこともあり、東京ヴェルディユースへ熱心に勧誘してくれた「本当に色々お世話になった人」でもある。一言では言い表せない感情を内包しながら、佐々木は開幕戦の舞台となった夢の島競技場のピッチヘ歩を進める。
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