1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:また逢う日まで(琉球・富樫佑太)

ゲキサカ / 2017年5月12日 7時37分

FC琉球で9番を背負うFW富樫佑太(右)

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

「もう人間も時間も“フリー”なのでのんびりしていて、ストレスがまったく溜まらない生活を送っています。楽しくやっていますよ」。沖縄での日々を問われ、そう答えたのはFC琉球で今シーズンから9番を背負う富樫佑太。スペイン経由で辿り着いた日本最南端に本拠を置くJリーグのクラブで、21歳の青年はただひたすらに前だけを見据えて、自らと向き合っている。

 全国デビューは高校選手権の開幕戦。1年生ながら國學院久我山高の9番を託された富樫は、いきなり開始早々にヘディングで国立競技場のゴールネットを揺らす。「今までもヘディングでのゴールはほとんどないのでたまたまです」と笑顔で話した1年生ストライカーは、「都大会の西が丘は緊張しましたけど、今日はそれほど緊張しなかったです」という言葉に続けて、「でも、ナツ(渡辺夏彦・慶應義塾大)は緊張しやすいんですよ」と同い年のチームメイトをイジって、報道陣の笑いを誘う。堂々たるプレーぶりはもちろんのこと、大人としっかり会話できる姿を見て、「面白い子だな」と感じたのを記憶している。

 富樫、渡辺、平野佑一(国士舘大)と1年生から主力を担ってきた3人のタレントを擁し、全国レベルの好チームとも評されていた3年時の彼らは、再び国立競技場の開幕戦に帰還する。先制される苦しい展開の中、残り10分で富樫は強烈な同点弾を叩き込み、1万7千を超える観衆にその実力の一端を見せ付けたが、チームは後半アディショナルタイムの失点でまさかの初戦敗退を喫し、日本一の夢は早々に霧散。そして、2度までも“聖地”でゴールを奪った彼の名前は、国内のサッカーシーンからしばらく姿を消すこととなる。

 国立での歓喜と涙から2か月後。富樫は海を渡っていた。「トータルで大学4年を卒業した時に自分がどうなっているかということを考えると、大学に行っても1、2年は試合に出られないこともあると考えていたし、『試合に出たい』という気持ちが自分の中で一番にあったので、試合にコンスタントに出場できて、自分が成長できることを求めていた」彼は既に高校2年を迎える頃、大学進学という選択肢を消してプロ志望を固めており、Jクラブからのオファーが本人へ届かなかったこともあって、やはり高校2年時に短期留学で大きな刺激を受けたスペインへの挑戦を決断する。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください