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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:マイ・ウェイ(昌平高・古川勇輝)

ゲキサカ / 2017年7月1日 10時51分

 2014年の夏。予期せぬ格好で日本に帰ってきた古川は、大宮アルディージャジュニアユースの練習に参加していた。実は帰国を考え始めていたタイミングで、偶然にも彼らがスペイン遠征でバルセロナを訪れていたのだ。いきなりエスパニョールとの練習試合に飛び入りで参加させてもらった際には、「まったくと言っていいほど自分のプレーができなかった」そうだが、帰国後も練習参加を許される。最初はなかなか持ち味を出せず、当時の監督からも厳しい言葉を掛けられたものの、「ここを逃したら行くチームがないので、『何が何でもアルディージャでやってやる』という死に物狂いの気持ちで」練習に取り組み、何とか入団という結果を手に入れる。少しの停滞を強いられていた古川の時間は、大宮の地で再びその針が動き出した。

「入って凄く良かったです」と自ら語る昌平との縁も、帰国した2014年の年末にあった。「アルディージャで一緒だった子のお兄ちゃんがいたこともあって、選手権にちょうど出た時の試合を見に行った」ことで昌平の存在を知る。翌年もプリンスリーグ関東で戦う試合へ何度か通っている内に、「見ていて『凄く面白いサッカーだな』と感じましたし、『ここでプレーできればまた新たな成長が生まれるんじゃないかな』と思って」入学を決意する。

 実力者の揃うチームの中で、トップチームでの出場機会を増やしたのは今年に入ってからだが、前述した関東大会では優秀選手にも選出されると、総体予選でも準決勝の浦和学院高戦で2ゴールを叩き込み、全国切符の獲得にきっちり貢献してみせる。「日本人に比べてスペイン人は自己主張が強くて、自分の意見をズバズバ言うのが向こうのやり方だったので、日本に帰ってからも自分の意見をみんなに伝えることができるのは、海外にいたからこそだと思います」という古川。「サッカーを見て常に考えるプレーというのを意識しているので、サッカーについて話すことは凄く楽しいですね」と言葉を続ける姿からは、紆余曲折があって辿り着いた昌平で、自身の成長を実感する日々を過ごしている様子が窺えた。

 言うまでもなく、自分を支え続けてくれている家族への感謝は強い。「スペインにいた時も日本に残ってもらったお父さんには、ただでさえ忙しい生活を常に送っていたのに、家でも常に一人で家事も一人でしたし、妹もスペインへ一緒に付いてきてもらう選択をしなくてはいけないということもあったので、そういう意味でも家族全員に凄く感謝しています」。その想いへ応えるために、自分にできることは十分過ぎるほど理解している。

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