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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:特別な日(三菱養和SCユース・加藤慎太郎)

ゲキサカ / 2017年7月13日 19時55分

 結果から言えば、宮崎が前半の45分で交替を命じられたのに対し、フル出場を果たした加藤は勝利の瞬間をピッチの上で迎えた。試合後。「何もやらせてもらえなかったです。ホント情けなくて。成長した姿を見せたかったですけど、ホント何もできなかったです」とうつむきながら、目に涙を浮かべる宮崎の姿があった。

 2人を飛び級でジュニアに引き上げた張本人でもあり、現在はユースの監督を務める増子亘彦はそのことを伝え聞き、「今の立場で考えれば『やられたくないな』って気持ちはありますけど(笑)、本人もお父さんもよく知っていて、良いゲームをしたいし、勝ち負け云々というより頑張っている姿を見られて良かったなと思います。やっぱりあそこのチームで出てくるって大変なことですよ。そこで出てくるというのは本人がどれだけ努力したのかということだと思いますし、逆に言えばオレらも負けてられないよという所で、お互い切磋琢磨していって欲しいですね」と教え子にエールを送ってくれた。

 最初は悔しさを隠せなかった宮崎も、話していく内に少しずつ笑顔を覗かせ始める。「ずっと戦ってきた仲間との試合だったので、凄く楽しかったです」と45分間を振り返った彼に、「間接的に加藤君へ伝えたいことはある?」と尋ねると、「『今日は負けたけど、次はヘディングでも何でも勝つし、試合も勝つ』って言いたいです」と最後はしっかりとした口調で答え、チームのバスに乗り込んでいった。

「アイツには絶対負けたくないなって。基本的にマッチアップのヤツには絶対負けたくないんですけど、今日はそのマッチアップの相手よりも、『鴻の所に行きたいな』ってずっと思っていました」と切り出した加藤は、ゆっくりと終わったばかりの45分間を思い出していく。

「懐かしかったというか、鴻も体つきとか成長していたし、逆に俺も成長している所があったけど、やっぱり『アイツ体強えーな』ってずっと思っていて。だけど、小学生の時からずっと一緒にやっていたから、俺なりの鴻とのやり方というのはあって、スローインでもアイツの前に先に入ってヘディングするとか、そういうのは出せたと思うし、逆にアイツにヘディングで負けた時は凄く悔しかったし、競り勝った時はフィールドの中で『シャー!』とか言ってたんですよ」「結局鴻の所で何回か収まっていたので、ウチのハーフタイムのミーティングでもそういう話が多くて、俺はアイツの交替が残念だったという気持ちより、アイツと45分間やり合えたというのはやっぱり今後もずっと自分の中に残っていると思うし、何より養和のグラウンドでできたというのは凄く嬉しかったですね」「この日を待っていた俺のユースの3年間というか、アイツとこの試合をやるためにと言ってもいいくらいの3年間というか、本当にアイツには負けたくないと思っていたんです」。蓄えてきた想いが溢れ出す。

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