アメリカ・サッカー留学の可能性 IMGアカデミーの最先端トレーニングに迫る Vol.3
ゲキサカ / 2017年7月28日 7時15分
世界で戦うためにジュニア時代の海外経験は必要か?
短期連載の最終回はサッカー選手にとってジュニア時代の海外経験は必要か、自身の体験を元に元日本代表FWの高原直泰氏に語ってもらった。言葉や文化の壁、身体やサッカーのスタイルの違いなど、超えるべきものは何なのか、あるいはそもそも海を渡る必要があるのか否か。世界で戦うことを目指す選手たちは必読だ。
―高原さんの場合は小さい頃から代表などに選ばれて海外経験が多かったと思いますが、当時、同年代で日本を出てサッカーをする機会というのは多かったのでしょうか?
「ほとんどないと言っていいと思います。自分の場合はラッキーな面もあって、日韓ワールドカップに向けて育成年代の強化が盛んに行われていました。U-15のときからですが、海外遠征を組んでもらう機会が多くなっていたのが大きい。最初に渡ったのはアメリカで、そこを皮切りに2、3年は何か国に行ったか数えられないくらいたくさんの遠征に参加していました」
―サッカーではない機会も含めて、それまで日本の外に出た経験はあったのですか?
「いえ、まったく。海外に行ったことがそもそもなかったので、パスポートも初めて作りましたし、英語も理解できず、でしたね」
―アメリカに降り立ったときの印象は?
「“海外に来たな”という漠然とした感じでしたよ(笑)。ドキドキしていたのは確かです。試合に出るために行ったので、ポジティブな意味で興奮していました」
―初めての海外遠征で感じた一番の違いは?
「フィジカルの違いが一番大きかったですね。U-15のメンバーでしたけど、U-19のカテゴリーで戦ったので特に違いを感じたのもあります。プレー中の当たりがものすごく強くて、試合で唇を切ったのを覚えています。そのときはものすごく腫れて……。ただ、違いはフィジカルだけで、プレーそのものについては“やれる”と思えたので自信にもなりました」
IMGアカデミーのトップチームに混ざって一緒に汗を流す高原氏。個性的な選手の特徴を素早くつかんでゲームを作っていた
―幼少の頃から海外のチームでプレーするというビジョンはありましたか?
「最初はなかったと思います。トヨタカップを観に国立へ行ったりはしましたけど、Jリーグができたばかりの頃は日本国内に関心が集まっていましたし。プロのサッカー選手になるという明確な意志はありましたけど、それが海外のチームでプレーすることにはリンクしませんでした。海外の試合に行き始めて、それから徐々に視野に入ってきた、という流れですかね。18歳の頃には海外に出たいという、より強い意識が出てきました」
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