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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:205センチという“個性”(鳥取・畑中槙人)

ゲキサカ / 2017年9月11日 11時10分

 それでも鳥取へ帰った畑中に、試合出場の機会は訪れない。1年目の公式戦出場はゼロ。2年目の出場時間も記録上はリーグ戦1試合の1分のみ。「結構調子が良くてもメンバーにも入れてもらえなかった時もあって、本当にキツいなと思っていた」ものの、「メンバー外で出てないヤツが腐ったら完全に終わりなので、そこは本当に見返す気持ちでずっとコツコツやり続けてきた」そうだ。

 声を掛けてくれるチームメイトの存在もありがたかった。「『もっとこうしたら試合に絡めるんじゃない?」みたいに結構周りも気にしてくれましたし、自分も溜め込む方じゃないので、1週間終わって試合に出れなくて、でもすぐ気持ちを切り替えて、みたいなことをずっと繰り返していた中で、悔しさだけは持っていて、『必ず試合に出てやろう』と思っていました」。勝負の3年目。春が過ぎ、夏を迎えようとしていたタイミングで、変化の時が到来する。

「練習が終わってからも、チームメイトにクロスをずっと上げてもらって、監督やヘッドコーチにつきっきりでクロスの入り方とかヘディングを見てもらって、ひたすらそればっかりやってきた中で、シーズンが始まった頃よりヘディングで叩ける回数が増えてきて、チーム内では競り負けることもほぼなくなってきた」畑中が、今シーズン初めてリーグ戦のベンチに入った第11節の鹿児島戦。森岡隆三監督は1点ビハインドの最終盤に彼をピッチヘ送り込むと、第13節から第20節までは8試合続けて途中出場で起用する。

「去年は1試合しか出ていなかったですけど、今年は徐々に出してもらって、お客さんがいる中での雰囲気を楽しみながらも、結構周りが見えたりした部分もあったので、経験的には掴んできたのかなと思います」。あとは結果を残すのみだ。

 9月3日。JISSで知り合ったアルペンスキーの選手たちも応援に駆け付けた第21節の長野戦。ベンチの横でアップを続けていた畑中に、最後まで声は掛からなかった。試合後。ミックスゾーンに出てきた彼と久々に再会する。「今日は0-3で負けて悔しいですけど、ピッチに立てなかったことが一番悔しいです。まだ悔しさのレベルも、ピッチに出ていた人たちよりも全然足りてないかなと思いますし、まだまだ僕の動きの質もどんどん使われるようなレベルじゃないので、実力不足という感じですね」。第一声から3年前とは明らかに違っていた。

「もっともっとチームメイトに『クロスを上げてくれ』と要求しているので、ゴールは近付いてきているとは思いますけど、自分がここからまたレベルアップするにはそこを決めていかないとダメなので、チームのためでもあるんですけど、自分がレベルアップするために、そこをずっと持っていきたいなと思います」。やはり以前とは明らかに違う。聞けばここ最近はインタビューされる回数も増えてきたそうだ。「最近は喋るのも大事かなと思ってますね」。日焼けした精悍な顔が逞しい。

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