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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:変化(駒澤大高・米谷拓海)

ゲキサカ / 2017年9月24日 22時3分

 そんな状況を受け、3年生に対して外側から“変化”が加えられる。それまでは米谷が1人で担っていたキャプテンが、トップチームにいるメンバーの持ち回り制になった。そして、以降の3年生には内側から“変化”の兆候が現れる。まず、「みんなでキャプテンをやることで1人1人にチームに向き合う自覚が出てきて、周りを見渡しながら『3年生が引っ張っていく』という感じ」が出てきた。

 米谷自身の“変化”はより大きい。自分がキャプテンではない時は「キャプテンのヤツに『オマエがやってくれるっしょ』みたいな(笑) 『今日はオマエだからやって』みたいな感じ」で試合に臨めるようになったという。すかさず「それではダメだと思うんですけど」と続けるあたりに“マジメ”さが滲むが、「それぐらいちょっとツラかったんで(笑)」という本音も口を衝く。「みんなで回すようになってから、メンタル的な所で少し楽になって、少しプレーも上がってきているかなとは思っています」。会話していく内に、半年前よりは確かに表情が柔らかくなっているような気がした。そういう部分がこの日のゴールに繋がったと結び付けるのは、いささか強引だろうか。

 米谷を見ていると、昨年度のキャプテンを務めていた高橋勇夢(Criacao)を思い出す。超・個性派集団とも言うべき前チームを率いていた彼もまた、夏前には大野監督から「人間的に凄い良い子なんですけど、遊びの部分がなくて“マジメ”なんですよね」と評されていた。米谷は「自分は本当にプレッシャーに押し潰されそうな感じだったのに、去年のキャプテンの高橋勇夢さんは、もう期待されればされる程という感じでしたよね」と話したが、高橋も試行錯誤を経る中で、リーダー像を自身で定め、最後までやり切った経緯は強く記憶に残っている。

 そんな高橋がちょうど1年前に印象的なことを話していた。「自分が目指している所はナオヤさん(竹上有祥・駒澤大)なんですけど、仲の良い春川さん(春川龍哉・早稲田ユナイテッド)から、『ナオヤになくてイサムにあるものがある』と言われてたんです」。竹上も、高橋も、それぞれ素晴らしい人格者だが、“リーダー”には様々なタイプがあっていい。高橋になくて米谷にあるものも、きっとある。

 大野監督は久我山戦のゴールについて、「今日も本当に泥臭い点ですけど、やっぱり彼の所にこぼれてきたし、彼が決めたらみんなが喜ぶんじゃないかなというのはありますよね。それだけ苦労人というか、努力している子なので」と言及していた。米谷がチームも、そして自身も苦しい時にどう振る舞ってきたかは、それを近くで見ていたはずの仲間が一番よくわかっている。

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