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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:32歳の“Jリーガー5年生”(長崎・前田悠佑)

ゲキサカ / 2017年10月10日 15時5分

 以前、高木監督がこう話していたことがあった。「前ちゃんは昔から考えれば、本当に成長したと思うよ」。そのことを本人に伝えると、「成長している実感はないです(笑) まだまだいろいろとキツめのアドバイスをもらいますし、毎試合毎試合僕にとってはラストチャンスのつもりでやっているので、全然伸びたとかいうのはないです。必死にやっているだけですね」と話した直後、「でも、昔は本当に『何だ、コイツは』という感じだったと思いますよ。メンタル的にも弱かったですし、監督からちょっと厳しく言われたら、シュンとなっていたようなプレーがたぶん出ていたと思うので、それは言われても仕方ないのかなと思いますね」と過去の自分を振り返る。

「ということは、メンタルの部分も成長してるんじゃないですか?」と尋ねると、「そうですね。そうか、そうか。感じてないだけで成長してますね」と前田は快活に笑ったが、「自分では気付かないですね。気付かないというか、『成長したな』と感じちゃうとそれで終わっちゃうので。常に上には上がいますから」と言い切った姿に、“Jリーガー”としての確かな矜持が滲んだ。

 クラブとしての成長も実感している。「全然変わりましたよ。一応クラブハウスもありますし、グラウンドもありますから。昔に関してはそういうのもなかったし、1時間以上掛けてグラウンドまで行って、練習して、また帰って、2部練をやったりもしていましたし、そういった面を考えると相当変わりました」。それでも、視線はさらに上を見据える。「社長も変わりましたし、もっともっとプレーしやすい環境が整ってくると思うんですよ。これから入ってくる選手はどんどんやりやすくなってくるはずなので、選手もそうですけど、チームとしても成長しないといけないし、クラブとしても大きくなっていけると思います。こういうクラブがあることは、長崎という土地にとっても凄く良いことですから、もっともっと成長していけたらいいなと思っています」。もはや長崎の中では、数少ないJFL時代を知る最古参。クラブへの愛着も人一倍強い。

 “Jリーガー”になって5年目の今シーズン。コンスタントに試合出場を重ねていた5月末から、前田はカカトのケガで1か月近い戦線離脱を余儀なくされる。「試合に出れない悔しさと、練習ができない悔しさが大きくて、メンタル的にやられる部分はあった」時間の中で、あることの重要性に改めて気付かされる。それは「ホーム戦の時のボランティアの人や、いろいろサポートしてくれている人たち」の存在。「喜ばしいことなんですけど、今まではメンバー外になるということがあまりなかった中で、離脱していた時期にそういう部分を見ることがより多かったので」、支えてくれる人たちのありがたさを痛感した。「なおさら『上に上がりたいな』と。『J1に上がってあの人たちと一緒に喜びたいな』ということを強く感じられた」1か月が、前田の決意をより色濃いものにさせたことは間違いない。

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