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伝説のPKストッパー…驚異のPK阻止率の“秘密”に迫る:前編

ゲキサカ / 2017年10月13日 22時14分

「同じクラブのユースチームのキーパーをゴールに立たせて、PKを阻止するたびにバイト代を出す、という練習をしていました。たしか1回PKを阻止するごとに、10ポンド紙幣(当時約2000円)を渡すようにしたのです。そのお金は効果があったようで、キーパーは必死になって止めようとしていました。私も身銭を切りたくはなかったので、この練習はPKを決めるという自分に対するプレッシャーにもなりました。そうしないと一文無しになってしまいますからね」

 ル・ティシエはゴールポストの1ヤード内側を狙って速いボールを蹴り込む練習をすることで、自分の技術に磨きをかけた。そんなシュートに手を届かせるために、キーパーはボールを蹴る前の早い段階でどこに飛ぶかヤマを張る必要があった。だが、そうなると事態はさらにマットにとって有利になった。なぜなら、彼は「ボールとキーパーを同時に見る」という不思議な能力を持っていたからだ。

 ボールを蹴る直前、彼は目の焦点を「ボールの4mくらい前」に合わせていたという。

「ボールの前を見ることで、同時にキーパーも見ることができます。そうすると、キーパーのポジショニングがどこにあるのか、どのような体勢になりつつあるのか、重心はどこにあるのか、ということを感じ取ることができるのです」

 どのサッカー選手も、ゴールのどちら側だとボールを蹴りやすいか、という「ナチュラルサイド」を持っている。利き足が右のキッカーのナチュラルサイドはゴールの左側で、利き足が左のキッカーではゴールの右側がナチュラルサイドとなる。ナチュラルサイドに蹴り込むと、キッカーの足は自分の体の前を横切るような動きをする。この動きにより正確にキックできると同時に、簡単にボールに力を乗せることができる。

 だが、利き足が右のル・ティシエは自分のナチュラルサイドとは逆側、つまりキーパーの左側に、自分の体を開きながらボールを蹴り込むのを好んでいた。もしキーパーが早く左側へ動いていることに気づくと、彼はとっさに蹴る方向をナチュラルサイドに変えることができた。

「逆は無理です。初めにキーパーの右側に蹴り込むと決めておいて、途中で気が変わって反対側へ蹴り込もうとしたら、おそらく膝の靱帯を切ってしまうでしょう」

 ル・ティシエはサッカー人生を終えるまでに、49回のPKのうち48回でゴールに成功している。これはプレミアリーグの中で、そしてサッカーの歴史の中で、今でも一番の記録だ。

▼後編はこちら
★記事全文は「クーリエ・ジャポン」よりご覧ください

(c)The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. Not to be redistributed, copied or modified in anyway. Kodansha is solely responsible for providing this translation and the Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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