「最強の激戦区」大阪制したのは大阪桐蔭!積上げた力発揮し、211校の代表として全国でも勝つ
ゲキサカ / 2017年11月11日 19時24分
だが、大阪桐蔭は相手にできた一瞬の隙を逃さない。15分、右サイドでボールを持ったSB深澤佑太(2年)がPAへロングフィード。タイミング良く相手DFラインの背後へ抜け出した今岡が絶妙なボールコントロールから右への動きでGKをかわし、そのまま右足シュートをゴールへ流し込んだ。
再びリードを奪われた履正社は、21分にCB左居隼人主将(3年)のインターセプトから町野がスルーパス。これに安羅が反応したが、シュートは枠外へ外れてしまう。29分にも町野の1タッチパスに安羅が走り込んだが、大阪桐蔭は左SB加藤宙(3年)がクリア。大阪桐蔭は町野に集まるボールに対し、競り合いで強さを見せる西矢が弾き返すなど、ゴールを守ることに意識を傾け、シンプルな攻撃で時間を進めていった。
履正社は後半31分に投入された左SB松田泰生(2年)がロングスローと、精度の高い左足キックで反撃を活性化。40分には松田の左クロスを町野が競り勝ち、PAへ飛び込んできた野口が左足を振り抜く。だが、大阪桐蔭GK藤本諒哉(3年)がセーブ。履正社はアディショナルタイム突入後の41分にも町野にシュートシーンが訪れたが、大阪桐蔭はDFがブロックして得点を許さない。
そして43分、履正社は左FKのこぼれをフリーの野口が押し込もうとするが、大阪桐蔭DFがここでも“魂”のクリア。1点リードを最後まで守り抜いた大阪桐蔭が2-1で勝ち、9年ぶりの全国大会出場を決めた。
夏の近畿高校選手権以降、公式戦負け無し。大阪制覇を果たした大阪桐蔭は勝負強かった。だが、以前の大阪桐蔭は勝負弱さを指摘されるチームだった。創部3年目の07年にインターハイに初出場し、4年目には選手権初出場。以降、12年インターハイで全国準決勝まで勝ち上がったほか、インターハイに計7度出場し、プリンスリーグ関西で優勝した年もある。
また、現日本代表のCB三浦弦太(現G大阪)やMF阿部浩之(現川崎F)ら多くのJリーガーを輩出。その一方、選手権では毎年のように優勝候補の一角に挙げられながらも、勝ち抜くことができなかった。かつては相手がドリブルで仕掛けてくれば、こちらもドリブルでやり返す“ボクシングスタイル”。だが、勝てない期間を経験する中で、隙のあったチームはそれをなくすために取り組み、それでも足りなければ自分たちの日常、私生活から見つめ直し、厳しく指摘しあう集団になってきた。
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