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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:届かなかった“あの場所”(國學院久我山高・平田周、上加世田達也)

ゲキサカ / 2017年11月15日 17時30分

 先にロッカーから出てきたのはマスクを掛けた上加世田だった。「なんか試合が終わってすぐは全然実感がなかったんですけど、最後の締めの時に自分たちから応援してくれたメンバーや親に挨拶があって、その時に本当に涙がこみ上げてきました」。両目を赤く濡らしながらそう話した彼は、盟友についてもこう触れる。「メグがキャプテンで自分が副キャプテンだったんですけど、全部アイツに任せっきりで、頼ってばっかで、自分は何にもしていないのに、チームを最後グッとまとめてくれたというか、アイツ1人でここまで頑張ってきてくれて、さっき試合が終わった後に『お疲れ様。任せっきりで申し訳なかったけど、ここまでありがとう』っていう想いは伝えました。アイツもずっと泣いていたので」。感じ続けてきたプレッシャーからの解放は決して望んだ形ではなかったが、その時に浮かんだのは感謝の念だった。

 全国準優勝を経験してからの2年間を「今思うと短いんですけど、長かったと思います。あの準優勝から全国大会には1回も出ていないので、何回も悔し涙を流してきていて、最後にみんなで全国に行きたかったですけど、もう行けないので、実践に頑張って欲しいです」と振り返った上加世田へ、最後に「今日は声、通っていたように見えたけど」と水を向けると、「ちょっと風邪気味だったんですけど、最後なんで盛り上げて頑張りました」と少しだけ笑って、ミックスゾーンを後にした。

平田はチームで一番最後に姿を現した。「まだ実感が湧いてないのか何なのかわからないですね。うーん… 悔しいと言えば悔しいですけど、自分が思っていたよりはさっぱりしているかなと思ってます」と切り出したが、話を進めていく内に改めて悔しさが募っていく様子だった彼には、1つ心残りがあるという。「選手権に向けて3年生が凄く一丸となって良くなってきたんですけど、ちょっと遅かったかなって。それも全部自分の責任というか、自分が少しずつ変わり始めて、チームに働きかけられたんですけど、それにもっと早く気付けていればと凄く感じます。『キャプテンになる』のが遅かったですね」。それでもいつもは辛口の清水監督も「特に夏以降は本当にチームを変えるために頑張ってくれたと思っています」とキャプテンを称えていた。

 平田にもこの2年間について尋ねると、少し考えてからこう語った。「今振り返っても長かったかなと思います。準優勝してからの2年間はいろいろなことがあったんですけど、その多くが客観的に見たら良いことではなかったというか、ハッピーなことではなかったので、結構苦しかったですね。だから、それを払拭したかったんですけど… 長く苦しい2年間でしたね…」。周囲が想像するより、遥かに大きな重圧と戦ったきた彼の本音が垣間見えた気がした。改めて上加世田についても聞いてみる。「クラスは一緒ですけど、アイツはペラペラ喋るタイプではないので。でも、一番ギリギリの所でアイツがいたというか、そういう根っこの繋がりというか、“絆”って言葉はあまり使いたくないんですけど、そういうのはアイツが一番あったかなと思います」。

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