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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:恩師(V・ファーレン長崎・高杉亮太)

ゲキサカ / 2018年2月28日 14時42分

“教え子”は性格的にもシンパシーを感じていたという。「あの人も自分を前面に押し出すタイプじゃないじゃないですか。そういう所も僕と凄く似ていて、合っていたなと思います」。それを聞いた“恩師”はこう話す。「アイツは全然喋るタイプじゃなかったですよ。最初の頃はそれをイジっていましたから(笑)。 そういうタイプだったから、3年生の頃はあまりグイグイ行かずに、ちょっと様子見みたいな感じで見ていて、その後からいろいろなアプローチが始まったかもしれないですね」。

 故に今の高杉が不思議だと、西ヶ谷は首をひねる。「だから、よくキャプテンをやってるなと。周りを鼓舞するなんて昔じゃ考えられないから」。手元にある2008年のJリーグ選手名鑑。プロへの扉を開いてくれた愛媛FCで、2年目となるシーズンを控えた高杉のプロフィール欄には、『チーム一無口』との記述がある。「そのへんで変われたんじゃないですか。何か変化がなかったらこんなに長くやれないですから」と話す西ヶ谷が、それでも「キャプテンということが信じられないけどね。昔のことを思い出すと」と何度も笑いながら繰り返すあたりに、確かな月日の移り変わりが窺えた。

 ここ数年は対戦相手として対峙してきた2人。「試合が終わるたびにいろいろ話はしていましたよ。まあ、そんなに深い話はしていないです。『連戦でオッサンだから使ってもらえなかったの?』『そうです』みたいな(笑) そこは関係的には変わっていないですね」という西ヶ谷も、高杉の獲得を検討したタイミングがあったという。それは愛媛を契約満了になった2012年のオフのこと。結局実現には至らず、その時に加入した長崎でJ1まで辿り着くのだから、人生は本当に何が起こるかわからない。

“デビュー戦”を終えたばかりの高杉は、こう言葉を残した。「自分はほとんど運でやってきたと思っているので、西ヶ谷さんと出会ったのも運が良かったからだと思うし、一緒にやってきた選手もそうですけど、いろいろな人の支えのおかげという所が多くあるので、『そういう人たちのために少しでも長く頑張ろう』と思っていた結果じゃないですかね。ここまでやってこれたのは」。諦めてしまいそうなタイミングはいくつもあっただろう。諦めてしまった方が楽だったことも1つや2つではなかったはずだ。それでも、彼がここまで諦めずに前へと突き進んできたのは、彼を信じる周囲の人々と、何より自分自身を信じる想いを裏切ることの方が、難しかったからなのかもしれない。

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