鹿島入団内定を早くも決めた名古新太郎「3年間、向上心を持ってやってきた」
ゲキサカ / 2018年3月12日 15時6分
ドリブルの鋭さ、傑出した技術力で1年次から全日本大学選抜のメンバーに定着し、昨年はユニバーシアード・台北大会で世界一も経験した。MF名古新太郎(順天堂大3年=鹿島内定)は、『DENSOCUP SOCCER 大学日韓定期戦』にも毎年出場し、今年で3回目を迎える。
ただすべてが納得できる内容かといえば、否定の言葉が返ってきた。逆転負けを喫した昨年の大会は、後半からの出場で試合の流れを変えることができなかったからだ。
「左サイドハーフで出場して、自分のよさは出せたと思う。ただ点を取るチャンスはあったのに、決めきれなかった。それがずっと自分の中で課題としてあって。やっぱり、そこで点を取らないと評価されないですよね」
それでも名古の大学3年間を振り返ってみれば、ごく順調にステップを上がってきたかのように思える。所属する順天堂大では堀池巧監督の下、1年次からレギュラーを獲得。優勝にはあと一歩届かないものの、3年連続で全日本大学サッカー選手権(インカレ)に出場、総理大臣杯にも2年連続で出場している。
名古個人としての選抜歴は前出のとおり。昨年の関東リーグ戦ではベストイレブンにも選ばれるなど、名古は間違いなく”大学サッカーを代表する実力派選手”のひとりになっている。
「この3年間、1日1日の練習を本当に大切にしてきたつもりだし、パス1本、シュート1本、ドリブルひとつであっても、全部試合を意識してやってきた。その意識の高さは、誰にも負けないという自信があります。もしこの3年間が順調だというのであれば、そういう向上心をもってきたからだと思う」
だからといって「今の自分に満足しているわけではない」という。
「自分はどちらかといえばサッカーの質や内容を大切にしている。周りからもそう見られていると思うけれど、”いいサッカー”にこだわるほう。でもプロになれば、やっぱり結果がいちばんになる。今の自分には勝負にこだわるところが足りない。もっと、結果に対して強く意識をもたないと……」
3月1日には、関東の選手としては一番手となる鹿島アントラーズへの加入内定が発表された。「内定が早い遅いというよりは、行きたいと思っていた鹿島からオファーをもらったから決めただけ」。
だが鹿島という“勝負にこだわる”チーム、王者のメンタリティをもつチームに決めたことは、“勝負”へのこだわりが足りないと自覚のある名古にとっては小さくない理由だろう。「そこは自分自身もほしいと思っているところ。鹿島はタイトルを獲りにいくチームだということはわかっているので、自分も勝負をかけたいです」。
そのためにも、大学最後のシーズンはこれまで届かなかった“タイトル”にこだわりたい。その第一歩が、「国と国を背負った試合。絶対に負けられない」という日韓定期戦だ。「もちろん勝負にはこだわりたいし、その中で自分がいちばん存在感を出せれば。なおかつ結果も内容も残して、チームの勝利に貢献したいです」。
決して欲張りな望みではない。すべてに対する貪欲さこそが、王者のメンタリティに必要なもの。大学生活の残り1年間、名古がプロとして必要なものこそが、この貪欲さだ。日韓定期戦でのプレーは、名古の今季の指針になる。
名古が全日本大学選抜の一員として参加する第15回大学日韓定期戦は、今週末、3月18日に柏の葉陸上競技場で行われる。キックオフは12時30分。未来のJリーガー、日本代表選手を見逃すな!入場料は一般は当日1500円。前売りは1200円。高校生以下は入場無料となっている。
(取材・文 飯島玲子)
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