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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:泥臭くても。倒れても。(アスルクラロ沼津・畑潤基)

ゲキサカ / 2018年3月17日 7時43分

写真協力=後藤勝

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

「なんか泥臭いプレーがカッコ悪いとか思う人たちもいるじゃないですか。それが全然なくなりました。『チームのために走って、倒れても別に関係ない』という想いになりました」。加入から7か月。ようやくアスルクラロ沼津でのデビューを果たしたストライカーは、自身に芽生えてきた変化を、そう口にした。畑潤基。23歳。『熱中フットボール』を掲げるチームの中で若者は今、“熱中フットボーラー”への道を歩み始めている。

 初見のインパクトは強烈の一言。東海学園大4年時に主将として臨んだ総理大臣杯。初戦で優勝候補の阪南大と対峙した畑は、ほとんど角度のない位置から凄まじい弾道のシュートをゴールネットへ叩き込んでみせる。その一撃に相手の応援団からは「えげつないな…」と呟く声も。3-0と完勝を収めた試合後に話を聞いても、朴訥な口調ながら「ああいう所から決めることが多くて、『入るんじゃないかな』という感覚で打ちました」「打ったら入るというのが結構多いですね。シュート力には自信があるので、インパクトさえすれば行けるかなとは思っています」と強気な言葉が飛び出す。「面白い選手だな」と感じた印象は、今でもハッキリと記憶に残っている。

 だから、その1か月後にV・ファーレン長崎の特別指定選手へ承認された時も、早々にJリーグデビューを果たした時も、さらに出場3試合目で豪快なJリーグ初ゴールまで奪ってしまった時も、あの“初見のインパクト”を考えれば、決して大きな驚きではなかった。東海学生リーグでも18試合で31得点という驚異的な数字を記録。年末には長崎への正式加入が発表され、ルーキーながら背番号も11に決定。周囲からの大きな期待と、何より自分自身への大きな期待を感じながら叩いたプロの門だったが、物事はそう簡単に進まない。

 迎えた2017年シーズン。開幕から3試合連続で途中出場を果たした畑の名前は、それ以降のメンバーリストから消えていく。リーグ戦では5試合に途中出場したものの、ゴールを奪うことができず、8月には期限付きでJ3の首位争いを繰り広げていたアスルクラロ沼津へ移籍。出場機会を求めて心機一転、新天地で勝負する道を選択する。

 ところが、沼津での日々は畑の苦悩を一層深くする。「ケガもあったんですけど、普通に自分が沼津のサッカーに溶け込めていない所があって、試合に起用されていませんでした」と本人も振り返ったように、ベンチにすら入れない状況が続く。長崎時代と求められるプレーの違い。自身の思い描くイメージとのギャップ。「できていたことができなくなったりして、若干自信はなくなりました」。最終節で惜しくも優勝を逃したチームにおいて、畑は1試合も出場機会を得ることができないまま、ルーキーイヤーを終えることとなった。

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