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体験者が明かす…W杯メンバー選考とその苦悩

ゲキサカ / 2018年5月18日 7時0分

2002年6月9日、日本はロシアに勝利しW杯で初勝利

 ロシアW杯まで2か月あまりとなったところで、日本代表に西野朗新監督が就任。本大会のメンバーは“白紙”の状態に戻され、23人の行方の注目度は日に日に高まっている。
 いまから16年前……自国開催を目前に控え、日本はかつてないほどのサッカー熱に包まれていた。日韓W杯のメンバー選考にコーチとして立ち会った山本昌邦氏が、当時の記憶を紐解いてくれた。

ロシアW杯開幕まで1か月に迫った今月14日、35人の予備登録が締め切られた。国内合宿、テストマッチ(5月30日ガーナ代表戦@日産スタジアム)を経て、日本代表は5月31日に予定されている発表で、本登録23選手が決定する――。

 6月4日に締め切りとなる23人の本登録の選手は、予備登録に入った35人の中からしか選べなくなりますが、これは“準備”のための手順。W杯は大きなお金が動く大会で、選手もお金を稼いでしまうことから商業ビザを取る必要があるんです。ビザの取得には手間も費用も要しますから、予備登録を“第一段階”としてふるいをかけることになります。

 ほかにも理由はあります。本大会前にはFIFAが選手の情報を世の中に発信しなければならないのですが、誰が選ばれるかわからない状況から資料をつくるよりも、35人分のデータをつくっておいて、そこから23人分の情報を抜き出すほうが、混乱なく素早く処理できます。

 加えてFIFAの“演出”という側面もあると思います。35名が予備登録されればそれがニュースになり、さらに23名に絞ったタイミングでまたニュースになる。

 事務的な役割だけでなく、エンターテインメントの意味合いも含んでいるのが、予備登録なんです。一見、無駄なステップかもしれませんが、地球規模のビッグイベントを迎えるにあたって、平等性を保つためにも必要な手順だと言えるでしょう。

 ロシアW杯から予備登録のメンバーが30名から35名に増えたように、FIFAとしても大会とともにレギュレーションの部分も改善を重ねてきています。1998年のフランス大会から32チーム制になり、今回で6回目を数えようとしていますが、いよいよ成熟してきた感はありますね。

2002年5月ーー日韓W杯まで残すところ1か月。日本代表コーチだった山本昌邦は、予備登録のメンバーを含む26名とともに、欧州遠征に臨んでいた。誰が入って、誰が落ちるのか。世間からの注目が高まる中、“トルシエジャパン”は欧州遠征の帰国から数日後に23名を発表することになっていたーー。

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