朋輩がいま明かす、日本代表監督・西野朗の最も優れている能力とは…?
ゲキサカ / 2018年6月2日 8時0分
ついにロシアW杯を戦う日本代表23選手が発表された。国内最後の強化試合であるガーナ戦はいい形で終えることができなかったが、スイス、パラグアイとの強化試合を経て、19日には初戦のコロンビア戦を迎える。
選手時代から日本サッカー協会スタッフ時代まで、西野朗現日本代表監督と苦楽をともにしてきた山本昌邦氏が、“西野朗像”を明かす。
1996年、アトランタ五輪。西野朗監督、山本昌邦コーチ体制で28年ぶりにアジア予選を突破したU-23日本代表は、ブラジル、ナイジェリア、ハンガリーが並ぶグループに入った。初戦は、優勝候補大本命のブラジル。日本サッカー界最大の番狂わせ、“マイアミの奇跡”はどのようなプランで起こすことができたのか――?
西野さんとの出会いは私が19歳で現役のころで、日本代表に初めて入ったとき。西野さんは早稲田大4年生で、すでに何回も日本代表に呼ばれているような存在でした。
日本リーグ時代は、西野さんが日立で、私はヤマハでプレーし、その後お互い指導者になって、1993年のワールドユース(現U-20W杯)を目指すチームで一緒に仕事をすることに。メンバーでいうと、服部年宏や前園真聖といったアトランタ五輪の上のほうの世代がいたチームです。そのチームはアジア予選で韓国に負けてしまい、ワールドユースへの出場はかなわなかったのですが、強化部長だった川淵三郎さんが「五輪はまかせた」と監督・西野、コーチ・山本の体制を継続して、1996年のアトランタ五輪を目指すことになったんです。
本大会初戦のブラジル戦は3-4-2-1の布陣で臨みました。奇しくも先日のガーナ戦で日本代表が敷いた布陣と同じですね。GKに川口能活、最終ラインは左から松田直樹、田中誠、鈴木秀人。ウイングバックは左に路木龍次、右が遠藤彰弘で、ボランチに服部と伊東輝悦がいて、その前に前園と中田英寿がいて、一番前に城彰二。事前の分析で、ブラジルは個々の役割がはっきりしていること、システムを変えてこないことはわかっていたので、後は相手を自由にさせないために日本の選手をどうハメていくかを考えました。
ゲームプランは「失点を0に抑えて、1点を取って勝つ」。シュートは7倍(日本4本、ブラジル28本)打たれましたけど(苦笑)、無失点だったというのが大事なところで、結果的にプラン通りブラジルから1-0の勝ち星をあげたわけですから。
(※編集部注:勝ち点6で3チームが並んだが、得失点差の末に日本はグループ3位で敗退。その後グループ2位通過のナイジェリアが金メダル、首位通過のブラジルが銅メダルを獲得した)
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