1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

[MOM2574]清水ユースFW齊藤聖七(3年)_『史上最弱世代』で夏制覇。“雑草魂”の10番キャプテン

ゲキサカ / 2018年8月2日 6時30分

 だが、そんな主将の姿はチームメートの胸を打っていた。GK梅田透吾(3年)の「ピッチ内外でチームを引っ張ってくれる存在。自分たちが支え切れているか分からないくらいに頼り切っている」という言葉に代表されるように、齊藤については誰に訊いても賛辞ばかり。本人は「仲が良いし、団結力がある」とチームを評したが、当の主将のパーソナリティーがそうさせているのは間違いなさそうだ。

 そんな偉大なリーダーに導かれたチームは今大会、グループリーグを2位で突破。決勝トーナメント1回戦の三菱養和SCユース戦を1点差で、準々決勝の浦和ユース戦をPK戦の末に勝ち上がり、接戦を制してベスト4へ。準決勝では齊藤が脱水症状で途中交代を強いられる中、2年生アタッカーの活躍が2年ぶりとなる決勝の舞台に導いた。

「準決勝では全然身体が思うように動かなくて、ベンチに下がることになって本当に悔しかった。そこでは自分が代わってしまったので、決勝では点を取ろうと思っていた」。グループリーグでも対戦していた大宮ユースとの決勝戦、意気込んでいたとおりの場面が1点リードで迎えた前半アディショナルタイムに訪れた。

 FW青島太一(2年)のパスを左サイドで受けると、迷わず前を向いた齊藤。「ドリブルでしかけてシュートまで行けなかったので、稜介が良い形で動いてくれて預けた」。右で待っていたFW山崎稜介(2年)とのパス交換でPA内に走り込むと、ワンタッチで右足を一閃。「いつもはああいうところで入らないんですけど、落ち着いて流し込めた」。そんな10番の周りには自然と大きな歓喜の輪ができていた。

 後半は一転して防戦一方となったが、準決勝で立ち続けることができなかったフィールドを最後まで守り切り、16年ぶりの偉業を告げるホイッスルをピッチの上で聴いた。「笛が鳴った時は実感がなかったけど、史上最弱とかいろいろ言われていたので……」。いったん芝生に倒れ込んだ齊藤は、喜びを噛みしめるような素振りをしながら歓喜の整列へと向かっていた。

 こうして“最弱世代”は最高の場所にたどり着いた。「3年生自体も強かったと思いますし、1~2年生の3冠世代、黄金世代もこの西が丘でやっていましたし、その力が合わさってこういう結果になったと思います」。過去2年間の悔しさを間近で経験してきた3年生、2年前に“中学3冠”を果たした下級生、いずれが欠けても歓喜はなかったと考えている。

 もっとも、この歓喜をひと夏だけのものにするつもりはない。「ここで全国1位にはなったけど、これからプレミアで上位に食い込んで、チャンピオンシップを目指して頑張りたい」(齊藤)。目指すは昨冬に目前でその手をすり抜けた年間王者の座。現在は首位と勝ち点差9と離されてはいるが、自信を携えた“雑草魂”のキャプテンは目標をまっすぐと見据えている。

(取材・文 竹内達也)●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください