[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:向こう側の景色(昌平高・関根浩平)
ゲキサカ / 2018年10月16日 19時36分
それでも、立場は人を創っていく。「正直シーズンが始まったばかりの頃は、『自分が、自分が』という気持ちがあって、監督にも『プレーの質が落ちている』みたいに言われて。ただ、夏前ぐらいから少し慣れてきて、少しずつ自分のプレーも出せるようになりながら、周りも見られるようになってきたと思います」と振り返る関根。総体予選でようやく“1冠目”を手にしたチームは、徐々にらしくなってきたキャプテンを中心に一体感を携えて、三重での全国総体へ挑む。
初戦の高知中央高戦を6-1で大勝した昌平は、2回戦で優勝候補筆頭の青森山田高と対峙。立ち上がりから互角の攻防が繰り広げられる中、前半11分と14分に連続失点を喫し、2点を追い掛ける展開を強いられたが、「全然やれない雰囲気はなくて、逆に『いつでも点取れるんじゃないか』ぐらいだったので、「点は取られているけど“2年前”と似てるな」みたいに思っていました」と関根。前半アディショナルタイムに木下海斗がゴールをマークし、“2年前”の東福岡戦とまったく同じ、1点のビハインドで後半へ折り返す。
すると、後半17分に昌平らしいパスワークから、渋屋航平のゴラッソで同点に追い付くと、3分後には1年生の須藤直輝と木下の連係で一気に逆転。アディショナルタイムには森田翔がダメ押し弾を記録し、終わってみれば4-2で難敵を撃破する。試合後。「1年の時もこういう形でジャイアントキリングと言われたんですけど、その時の自分は出ていただけだったので、自分がキャプテンとしてチームの中心となって、格上のチームを倒せたのは凄く嬉しかったですね」と関根も笑顔を浮かべる。高円宮杯プレミアリーグEASTで無敗を続けていた強豪を真正面から倒した逆転劇に、昌平の注目度は一段と跳ね上がった。
3回戦の札幌大谷高戦も2点差を引っ繰り返し、準々決勝の大津高戦は原田虹輝の2ゴールで競り勝ち、初のファイナルへと王手を懸けた準決勝の桐光学園高戦。0-0で迎えた後半早々。悪夢の時間帯がチームを襲う。5分。7分。10分。わずか5分間で3失点。しかも、すべてのゴールに関根が絡む格好となった。特に2失点目は相手のエース西川潤にぶっちぎられてしまう。「あそこまで簡単にやられるのは今までなかったかもしれないです」と悔し気に語る関根。その後、雷のために4時間近く中断したゲームは、再開後に2点を返したものの、2-3と一歩及ばず。昌平の進撃は2年前と同じ、セミファイナルでの足踏みを余儀なくされた。
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