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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:向こう側の景色(昌平高・関根浩平)

ゲキサカ / 2018年10月16日 19時36分

「自分たちの攻撃は全国でも十分通用しましたし、『昌平の攻撃力ヤバいな』というのは見せられましたし、どこからでも点が取れる魅力は発揮できたんですけど、全試合失点している事実があって、守備に課題が凄く残ってしまったと思います」と大会全体に言及しつつ、「正直1年生の時も悔しかったんですけど、やっぱり日本一になりたかったので、今回の方がメチャメチャ悔しかったです」と準決勝をことさら強調する。「自分がもうちょっと頑張っていれば勝てたので、情けなかった」敗戦が、一見クールに見える関根の秘めた負けず嫌いのメンタルに、火を付けたことは言うまでもないだろう。

 もともとは栃木SCのジュニアユース出身。高校年代の進路を決めるに当たり、ユースへの昇格が第一志望だったが、森田ともう1人のチームメイトに誘われ、「じゃあ行ってみるか」という気持ちで参加した練習会が運命を変える。偶然にも選手権での試合をテレビで見たことがあり、そのパスサッカーは印象に残っていたものの、実際に針谷岳晃(現・ジュビロ磐田)をはじめとした「メチャクチャ上手い先輩たち」を目の前で体感し、「ここだったら自分も上手くなれるんじゃないかなという想い」が強くなった。最終的に昌平でのプレーを決断すると、入学から半年も経たずに定位置を掴み、そのまま全国ベスト4の景色を知ってしまうのだから、人生はわからない。

 現在は電車通学。50分近く宇都宮線に揺られ、毎朝登校している。往復のトータルで考えれば3時間近くを費やしているが、「もう慣れちゃいました」とのこと。とはいえ、すっかり通い慣れた道のりを辿る生活にも、確実に“終わり”が見え始めている。「今の練習だったりが凄く楽しいですし、充実しているので、やっぱり長くやりたいなという気持ちはありますね」。少しでも長くこの日々を続けるために、必要なことも重々承知している。ボールを蹴る3年生たちを見ながら、「コイツら全然言うこと聞かないので。何か言っても全然動かないんですよ」と笑った姿に、チームへの強い愛着が透けて見えた気がした。

 ピッチ外ではこんなこともあった。選手権県2次予選の開会式。出場校の選手が集まり、「大きなホールで」開催されたそのイベントで、総体予選優勝校のキャプテンは選手宣誓の大役に指名される。「そういうの、苦手なんですよ」と明かす関根に対して、チームメイトからも「オマエ大丈夫か?」と心配の声が上がっていたそうだ。会場へと向かうバスの中では終始原稿とにらめっこ。やたらとのどが渇き、何度も何度も水を飲む。本番はつつがなく成功して事なきを得たが、「あんなに緊張したことはなかったです。アレ以上の緊張はもうないと思うので、これからは何があっても大丈夫だと思います(笑)」とのこと。サッカーではあれほどプレーで雄弁にメッセージを発するキャプテンも、ピッチ外で四苦八苦していた姿を思い浮かべると、何とも微笑ましい。

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