「走りはウサギのように速いが…」“伸び代しかない”ジャーメイン、指揮官の期待を来季の成長へ
ゲキサカ / 2018年12月10日 2時23分
[12.9 天皇杯決勝 浦和1-0仙台 埼玉]
天皇杯4戦連発はならず、チームも決勝戦で敗北。ベガルタ仙台を史上初のタイトルマッチに導いた立役者のFWジャーメイン良は「最後で決めないと意味がない。こういった舞台でも結果を残せるような選手にならないといけない」と成長を誓った。
ジャーメインは流通経済大から加入した大卒ルーキー。リーグ戦では4試合の先発にとどまり、なかなか出番を得られなかったが、カップ戦で出場機会を重ねてきた。天皇杯では4回戦横浜FM戦、準々決勝磐田戦、準決勝山形戦で3試合連続ゴール。いずれも1点差かPK戦で突破してきており、全てが価値ある得点だった。
「リーグ戦ではなかなかゴールが結果につながらなかったけど、天皇杯では結果につながっていた」。そんな手応えをつかんで臨んだ浦和レッズとの決勝戦。国内トップ級のDFを並べた3バックと対峙したが、立ち上がりから前を向けない時間が続き、後半22分にピッチを退く形となった。
「相手の嫌なことをやろうと思って背後を狙っていたけど、そこはすでにケアされていた。もっと早くそれに気付いて、足元のボールを引き出したりとか、違うやり方をやれれば良かった。一辺倒になってしまった」。あと一歩にまで迫った初タイトルを逃し、反省の弁ばかりが飛び出した。
ここまで我慢強く起用を続けてきた渡邉晋監督は、試合後の会見でジャーメインについて言及した。「走りはウサギのように速いが、カメのように成長している」と冗談交じりに述べつつ、「伸び代しか感じていないし、素晴らしい選手になってくれるはず」とポテンシャルには目を見張る。
ジャーメイン自身も「J1相手、それもJ1の上位相手にどれだけやれるかを大事にしたいし、監督からもそう言われている」と期待の大きさは認識。指揮官からCSKAモスクワに移籍したFW西村拓真を引き合いに出され、「彼はそうやって成長して、仙台から初めて海外に出て行った」と1歳下のロールモデルに刺激も受けている。
この日、J1トップレベルのディフェンダーは「読み、予測、カバーリング」の全てにおいて、自身のスキルを超えていることを痛感させられた。ただ、まだプロ1年目の23歳。指揮官が語るように“伸び代”を埋めていく機会はある。「ああいう光景は忘れちゃいけない」。目の前でトロフィーを掲げられた経験を成長への第一歩としていく。
(取材・文 竹内達也)●第98回天皇杯特設ページ
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