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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:エクストラ・タイム(駒澤大学・須藤皓生)

ゲキサカ / 2019年1月1日 21時0分

「今回のインカレで一番うまく行かなかった試合」と須藤も言及した通り、決勝は法政のペースで推移していく。少ないチャンスを生かしたい駒澤だったが、前半に中原輝が放った鋭いミドルはクロスバーにヒット。先制点を奪えない。すると、後半15分に法政は注目の上田を投入。「あの時間に出てくるのはわかっていたので、『そこからが勝負だ』と自分でも決めていた」須藤がマンツーマン気味に付きながらも、世代屈指のストライカーは何度も際どいシーンを創り出し、駒澤ディフェンス陣にプレッシャーを掛けていく。

 後半27分。法政が試合を動かす。森俊貴の強烈なボレーはクロスバーを叩くも、ルーズボールに反応したディサロ燦シルヴァーノが素早く詰めて、懸命に戻った須藤の目の前でゴールネットを揺らす。破られた均衡。駒澤も交替カードを切りながら、反撃への意欲を前面に押し出すものの、決定的なチャンスを創り出すまでには至らない。ファイナルスコアは1-0。「今日の試合に関しては法政さんの方がすべてにおいて上だったと思います」と認めたのは秋田監督。快進撃を続けてきた駒澤も覇権奪還には一歩及ばなかった。

 “最後の試合”が終わって1時間は経過した頃。須藤が“最後のロッカールーム”から姿を現す。「あああ、もっと、もっとやりたかったです。悔いはなくて、後悔というよりは、難しい感情ですけど、このチームでやれたので良かったです。優勝はできなかったですけど、正直自分のキャリアを見てきて、こんな選手たちと、こんな舞台でやれることは想像していなかったので、今までやってきたことは間違いじゃなかったなと思いました」。話していく内に少しずつ、少しずつ、思考が整理されていく。

 チームでの自身の立ち位置についても話が及ぶ。「僕は本当に駒大史上、一番怒られた人間なんじゃないかなと思います。いつしかそういうキャラになってしまって(笑) 自分がダメなんですけど、期待を超えていけない所があって。ウチのスタッフは褒めないので、それに負けそうな時もありましたけど、逆に選手たちの絆が生まれてくる所もありましたし、そういう意味で“策士”かなと思いますね。そこまで考えてやってるのかなと。秋田監督はそれこそ出会えたことで、人生が変わったと思えるような人です」。そんな怒られる機会も、もうなくなってしまう。「寂しくなるんじゃない?」と水を向けると、「なる気がします。最後の監督のミーティングもいつも通り終わったんですけど、『もうこれが最後なのかなあ』と。ちょっと寂しくなる予感がもうしていますね」と小さく笑う。話していく内に少しずつ、少しずつ、“終わり”を実感していく様子が窺える。

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