パラリンピック落選のCPサッカー日本代表主将・浦辰大が明かす「無念」と「諦めない理由」
ゲキサカ / 2019年1月26日 11時18分
脳に障がいを持つ人の7人制サッカー、CPサッカーが25日、ロンドンで行われた国際パラリンピック委員会(IPC)の理事会で、2024年のパリパラリンピックの種目から外れた。2016年のリオデジャネイロ大会までは正式種目で、2020年の東京大会から落選。復帰のために水面下で尽力してきた関係者のショックは大きいが、一報を聞いたCPサッカーの日本代表主将の浦辰大(エスペランサ)は落胆の思いを胸にしまい、前を向いた。
「東京大会に落選した悔しい思いは今でもずっと残っていました。パリ大会での復帰は残念ながらなりませんでしたが、僕の競技人生は続きます。僕はこのCPサッカーを通してたくさんの仲間たちにスポーツは人の心を動かすことができる素晴らしいものだと教えてもらいました。これからは僕自身の泥臭く、一生懸命なプレーを通してCPサッカーの仲間や応援してくださる多くの方々の心を動かすような熱さや感動を届けられるよう、精一杯競技に励みたい」
生まれるときのアクシデントにより仮死状態で生まれた浦は、脳の血管がつまっていたことが原因で左半身に麻痺が残った。症状は軽かったため、自分の症状についてはあまり公にせず、小学校3年生になると健常者のチームでサッカーをはじめた。
「サッカーは自分を表現できるスポーツだと思うんです。ドリブル、パス、シュート。ボールを持った人にしか選択権はない。だからドリブルが得意で自信があれば、それで勝負すればいい。そんなところにひかれてのめりこみました」
1歳年下の弟で、のちに高校サッカーの名門・野洲高校で全国高校選手権に出た才能を持つ浦淳也が一緒のチームでサッカーをはじめると、心に影が落とされるようになる。
「小さい頃は障がいを持っていることが目立たなかったんですが、高学年になるにつれてみんなが両足でリフティングできるのに、僕は右足でしかできなくなった。やれることがみんなと開きが出てきて、同じチームにいて、弟が試合に選ばれて僕が選ばれないことも増えました。弟は健常者で僕は障がい者なので今考えると、ある意味、仕方ないことなんですが、1つ年下ということもあって、ライバル視していました。『全部、母さんのせいだ』と母に当たってしまったこともあります」
麻痺が残る左足は右足に比べ、筋肉量で劣り、細い
誰にとっても中学時代は多感な時期。浦の弟に対するライバル心は、過剰な形で現れた。地元中学のサッカー部に入った浦は、弟の淳也が中学進学の際、別の私立中学に進学するように仕向けたのだ。
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