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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:閃光少年(昌平高・小見洋太)

ゲキサカ / 2019年2月22日 17時0分

昌平高FW小見洋太は昨年のNB CUP U-16で得点王に輝いている

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 後半も終盤に差し掛かったくらいだろうか。全速力で相手ディフェンダーへプレッシャーを掛ける姿に、スタンドから「まだ走れるんだ…」と思わず驚嘆の声が漏れる。献身的なプレーに自然と視線がその坊主頭へ引き付けられていく。「もっと技術の部分で上手くなりたいですし、まだまだ決定力も足りないので、そういう所を磨いていきたいなと思います」。そう言ってはにかむ笑顔は、まだまだあどけない16歳の少年そのもの。タレントの居並ぶ昌平高でも異質の個性を有する小見洋太が今、いよいよ表舞台に躍り出ようとしつつある。

 7‐0、9‐0、6‐0。3試合の合計は22得点無失点。埼玉県の高校サッカー新人大会に臨んだ昌平は、初戦から圧倒的なスコアを積み重ねて決勝進出を果たす。主力がほとんど入れ替わりながら、この凄まじい結果を残してきた過程で、紫藤淳、大竹琉生、大和海里という3人の2年生と並んで、初戦から3試合続けて得点を奪ってきたのが1年生の小見洋太。4‐2‐3‐1のシステムを敷くチームの“1”を任された小柄なストライカーだ。

 プレースタイルは“直線的”。「上手さだけでテクニカルな状況が目立つだけより、縦の推進力とか、そういう所も今年はできるかなと思っている」と藤島崇之監督も口にしたように、昨年より縦へのパワーとスピードが増した感のあるチームにおいて、単騎で走れる小見のスペースへ供給されるフィードも多く、全力でボールを追い掛ける姿が印象に残る。加えて、守備時はプレスのスイッチとして、前線から相手のボールホルダーを果敢にチェイス。やはり、全力でボールを追い掛ける姿が印象に残る。

 自身の役割もしっかり把握できている。「自分がセンターバックのパスから裏に抜けて、ボールを受けて起点を作って、海里くんとか須藤(直輝)とかのドリブルを演出して、そのあとにゴールに近寄って、最後は自分が決めるという感じです」。2列目に並んでいる紫藤、大和、須藤はタイプこそ違えども、いずれも全国レベルと言って差し支えないドリブラーたち。「基点になるだけで他の選手がほとんどドリブルで行ってくれるので(笑)」、自らのランニングが相手に与える圧力も考慮した上で、とにかく前へと走り続ける。

 2年ぶりの優勝が懸かった決勝の正智深谷高戦。小見は開始1分も経たない内にスピードで魅せた。大和のスルーパスを引き出すと、一気に加速してエリア付近へ。決定的なピンチになり掛けたシーンに、たまらず相手ディフェンダーはイエローカード覚悟でファウルを犯したが、キックオフ直後のフルスロットルぶりに、この1試合への覚悟が窺える。

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