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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:初心(奈良クラブ・有薗真吾)

ゲキサカ / 2019年3月25日 20時44分

「秋田に残る選択肢もありましたけど、移籍先が九州というのが一番大きかったですね。福岡は地元ですし、両親がアウェイの九州の試合は見に来てくれるんですけど、なかなかホームで試合に出る姿を見せられていなかったので、『現役中に両親にそういう姿を少しでも見せたいな』という気持ちも、移籍した理由にありました」。クラブライセンスの問題もあり、J2というカテゴリーへの想いも含めた移籍だったが、チームはまさかの最下位。リーグ戦22試合に出場した有薗も、シーズン終了後に契約満了を伝えられる。

「引退の可能性はありました。あったんですけど、自分の中で『もう少しやれるんじゃないか』って。北九州で自分の満足行くサッカーができていなかったので、『チャンスがあるのならばもう一度やりたい』という気持ちを、奥さんも含めてですけど考えていました」。トライアウトにも参加した有薗に、オファーを届けたのはJFLに在籍する奈良クラブ。しかも新たに就任する指揮官は、秋田時代を共にした杉山監督だった。

「スギさんの元を自分から離れたにもかかわらず、こうやって声を掛けていただけたので、もう一度スギさんの元でチャンスを与えてもらったことに感謝して、プレーで還元していきたいですよね」。かくして新天地は奈良に決まる。前述したように、向慎一と並んでチームの中では最年長。Jリーグでの経験もクラブの中で最も重ねている。託されている役割は決して小さくない。

 杉山監督は有薗について、こういう言葉で信頼を寄せる。「彼は大きく言うと2つ良い所があります。1つはやっぱり経験があって、リーダーシップがあります。もう1つは対人の所で、凄く上手くて、賢くて、強いです。そういう所で今は本当に貢献してくれていると思っています。これからチームが苦しい時もあったり、うまく行く時もあると思うんですけど、そんな時にもチームを鼓舞してくれたり、チームを引き締めてくれたり、そういう所に期待しています」。

 開幕からの2試合は共に0-1での敗戦。連敗スタートとなってしまった。フル出場の続く32番は、ここまでの180分間についてこう言及する。「リーグ全体的に『スピード感がゆっくりしているのかな』とは感じますけど、そのゆっくりしたペースに自分たちが合わせる必要はないと思っているので、もう少し自分たちで主導権を持ってやっていかないといけないかなというのはありますね」。

 攻撃面ではシュートの少なさも目に付く。「ゴール前まで行く回数が少なかったので、もっと増やしていかないと確率が上がってこないのかなと思います」。それでも立ち止まっている時間はない。「変わらずに続けていく、プラスやっぱり新しいことをどんどん見つけて、トライしていく作業をやり続けていくことが大事かなと思います」と言い切った指揮官を信じ、チャレンジを根気強く続けていく他に勝利への近道がないことは、おそらく選手たちが一番よくわかっている。

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