1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

いわば想定外も、想定内。ボトムアップにとどまらないチームビルディングを重ねた堀越が2年連続で初戦突破!

ゲキサカ / 2021年12月30日 7時5分

堀越高の10番、MF古澤希竜がチームの2点目を叩き込む(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.29 選手権1回戦 堀越高 2-1 高知高 駒沢]

 数々の苦い経験を味わいながら、あらゆるシチュエーションを考えてきたからこそ、何が起きても最適解を導き出すことができる。それこそがボトムアップと称される選手主導のチームビルディングに取り組んできた、最大のメリットだ。

「今年はしっかり安定したゲーム運びをしようと。特筆すべき個を持った選手がそんなに多くないチームなので、とにかく我慢しながら、焦れずにやっていって、最後に終了のホイッスルが鳴った時に1点でも多く取れていればいいよねという形で、PK戦も含めて、そういう準備はしてきました」(堀越高・佐藤実監督)。

 いわば想定外も、想定内。29日に駒沢陸上競技場で開催された第100回全国高校サッカー選手権1回戦第2試合は、前半4分と20分にMF古澤希竜(3年)がゴールを挙げた堀越高(東京A)が、高知高(高知)の反撃をFW西田慎太郎(3年)の1点に抑え、2-1で勝利。2年続けて全国大会初戦を堂々と突破している。

 ファーストシュートでゲームは動く。まだ前半4分のこと。堀越はキャプテンのMF宇田川瑛琉(3年)が左サイドへ展開。MF中村ルイジ(3年)がきっちりクロスを上げ切ると、ファーに流れたボールを収めた古澤は、瞬時に状況を見極める。

 鋭い反転から「中の方で味方が呼んでいたんですけど、そこに出すのではなく、少し右に一歩ずらしたら相手が股を開くかなと思って」、狙い通りに右にワンステップだけ持ち出しながら右足一閃。マーカーの股下を抜けたボールは、左ポストの内側を叩いてゴールネットへ転がり込む。「1失点目は良い所にボールを置いたり、あそこでターンしてだとか、本当になかなか経験できないようなプレーでした」と敵将の大坪裕典監督も舌を巻いた先制弾。堀越が1点のアドバンテージを手にした。

 白の10番が再び輝いたのは、20分。今度は相手の縦パスをDF渡部美紗哉(3年)が果敢にインターセプト。宇田川瑛琉が残したボールからショートカウンターが発動されると、MF伊東來(3年)は綺麗なスルーパスを通す。「ライから完璧なボールが来たので、ファーストタッチがあまり大きくなり過ぎないように」丁寧なトラップで縦に持ち出した古澤は、GKとの1対1も冷静にニアサイドへグサリ。エースが早くもドッピエッタ。点差は2点に広がった。

「今まで逆転勝利もしてきたので、2失点しても全然大丈夫という気持ちはありました」とキャプテンのMF松井匠(3年)が話した高知も、ビハインドに折れる気配は毛頭なし。25分。FW角田颯磨(2年)が投げたロングスローの流れから、MF川竹智希(3年)のパスを受けたMF松井貫太(1年)は、得意の左足で思い切りよくミドルにトライ。この軌道は右ポストに弾かれるも、詰めた西田がきっちりとボールをゴールネットへ流し込む。2-1。たちまち点差は1点に。目まぐるしく変わるスコア。スタンドも熱気を帯びていく。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください