JFAが鈴鹿の「八百長未遂」認定…元役員らにサッカー活動停止処分
ゲキサカ / 2022年4月5日 19時24分
日本サッカー協会(JFA)の規律委員会は5日、JFLの鈴鹿ポイントゲッターズに八百長未遂行為があったとして、2020年の当該試合を没収試合とした上で、500万円の罰金処分を下したと発表した。行為を主導した元役員には2年間のサッカー活動停止処分。また代表取締役社長には1か月間、チームオーナーには3か月間のサッカー活動禁止処分が下されている。
JFAの発表によると、問題が起きたのは2020年11月29日に行われたJFL最終節のソニー仙台戦。対戦相手のソニー仙台の結果次第で他3チームにJ3昇格のチャンスがあり、ソニー仙台に敗れたほうが翌年以降の鈴鹿の昇格のチャンスが大きくなる可能性があるという中、試合2日前に行われたスタッフミーティング(監督在席、選手不在)の場で、チームオーナーが「もう昇格も降格もないので、この試合は必ず勝たなければいけない試合ではない。負けてもいい試合なので若手や出場機会のなかった選手を使ってほしい。仮に0対1で負けていて、残り時間が少ない場合、日本vsポーランド戦の時のように追いつこうとせずに、そのまま負けるという選択肢を選んで欲しい」と発言した。
また試合1日前のチームミーティング(監督・選手在席)では元役員が意図的に試合に負けるよう指示。出場する数選手に対して個人名を挙げ、「同一地域の他チームに昇格されないように負けて欲しい」「試合の終盤に3対0以上でリードしていなかった場合、DFラインとGKの連携ミスからオウンゴール等で失点して欲しい」「わざと失点するようにペナルティーエリア内でファールをしてPKを与える」と具体的な行為も指示していた。
その後、選手からの反発を受け、代表取締役社長が「クラブとして不正行為をしてほしいという意図は断じてない」「明日チームは全力で戦ってほしい」と説明。監督・選手と「正々堂々と戦う」意思を確認するために誓約書を交わした。誓約書には代表取締役名義で「クラブは選手に場合により負ける選択肢を打診したが、これを撤回し、正々堂々と戦おうと指示した」、14選手の署名入りで「私達選手監督スタッフはピッチで正々堂々と戦う」と記載。一方、5選手が試合に参加せず、遠征から外れた。
試合は0-1で敗戦。もっともJFAによると「意図的に負け試合をしたことをうかがわせる事情は見られなかった」といい、規律委員会がスイス・Sportradar社に依頼した調査でも「各国におけるスポーツ賭博等に絡んで試合結果を操作しようとする動きや徴候は確認されず、また、選手を含む関係者といわゆる八百長に関係する犯罪組織等との関連性も確認されなかった」としている。
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