ようやく剥がれてきた“山田の仮面”。青森山田は苦しみながらも県22連覇達成で夏の全国連覇の挑戦権獲得!
ゲキサカ / 2022年6月7日 7時0分
「まずは『前半の飲水まで失点ゼロで行こう』と話していて、実際にゼロにもできましたし、チャンスも何個か作れていたので、やれるなというのは前半で思いました」とは八戸学院野辺地西のキャプテンマークを託されたDF布施颯大(3年)。後方は5バック気味にスペースを埋めつつ、中盤のセカンドボールも村上やFW金津力輝(3年)が丁寧に回収し、前線に入った185センチの長身を誇るDF登録の鳥谷部塁(3年)を使うアタックを徹底。スコアこそ0-0だったが、ピッチ上には八戸学院野辺地西の“やれる空気感”が醸成された格好で、前半の35分間は終了した。
ただ、常勝軍団の指揮官にとって、この展開は織り込み済みだった。「先制されると後半はかなりきつくなるので、想定には0-0も含めて入れながら、後半に自分たちでもう1回流れを掴んでというプランを立てていました」(黒田監督)。後半も立ち上がりは八戸学院野辺地西が勢いを持って入ったが、「自分たちを信じてやれることをやるだけでした」という渡邊の言葉は、チームの共通認識。その時間帯を無失点でやり過ごした青森山田は、ジワジワとゲームの主導権を掌握していく。
後半23分。『伝家の宝刀』が牙を剝く。左サイドで手にしたスローイン。後半から投入されたMF奈良岡健心(3年)の“一投”に小湊が競り勝つと、最後にプッシュしたのはDF小泉佳絃(2年)。プレミアリーグでの連敗を5でストップした流通経済大柏高戦でも、決勝点を挙げている2年生が、この日も貴重な一撃。青森山田がようやく先制点を強奪する。
耐えてきた中での失点。それでも、渡邊が「相手が折れた感じはなかったですし、もっとやる気を出してきた感じはありました」と振り返ったように、八戸学院野辺地西は折れない。「相手も1点獲っただけでは、冷静にできていなかったと思います」とは布施。金津や途中出場のMF田中真翔(3年)、MF千葉龍磨(2年)を筆頭にしたアタッカー陣は攻める姿勢を打ち出し続ける。
試合を決めたのは、悩めるエースの輝き。35分。青森山田は左サイドへの展開から、MF櫻井廉(3年)のパスを受けた川原がクロス。ここへ全力で走り込んできた小湊のシュートが、ゴールネットへと到達する。「メッチャ嬉しかったです」と笑顔を見せた10番が、実にプレミア開幕戦以来となる久々のゴールをマークすると、さらに35+2分には奈良岡も追加点を叩き出す。
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