ようやく剥がれてきた“山田の仮面”。青森山田は苦しみながらも県22連覇達成で夏の全国連覇の挑戦権獲得!
ゲキサカ / 2022年6月7日 7時0分
ファイナルスコアは3-0。「本当に0-0でのPK戦も、ぐらいの覚悟で来たので、良かったなと思います。正直ホッとしました」と黒田監督も安堵の表情を見せた青森山田が、2000年から続くインターハイ予選の県内タイトルをきっちり“防衛”。連覇の数字を22へと伸ばす結果となった。
前述したように、青森山田は4月から5月にかけて、プレミアリーグで5連敗を喫している。当然、周囲の声が彼らの耳に入ってこないはずがない。ただでさえ、高校年代三冠を達成した次の世代。想像し得ないような重圧の中で、彼らはとにかくもがいていた。
背水の陣で臨んだホームゲーム。5月28日の流通経済大柏戦で、ようやくチームは結果を出す。「今までベンチ外の選手があまり一体感を持てていなかったんですけど、ホームゲームでもあったので、ベンチ外のメンバーも全員で戦って、そこで勝つことができてインハイに繋げられたというのが、今回の優勝の大きな要因だと思います」と話したのは小湊。そこで改めて共有されたのは、ピッチでもピッチ外でも、自分のやるべきことに、それぞれが全力で向き合おうというポジティブな“決意”だった。
「今年のチームはそこまでスキル的に高いわけではないし、やれることが去年のチームほど多くないので、キチッとやれることだけをしっかりやろうということです。やれもしないのに、リスクを負うようなことはやらないと。本当にチャレンジアンドカバーだったり、1対1の間合いだったり、まずはそういう基本的なことをきっちりやろうということから始めたので、去年みたいな華麗なシュートはないけれども、こういう形で泥臭く行くのが今年のサッカーだなと。こういう年があってもいいのかなとは思います」と語った指揮官は、こう言葉を続ける。
「やっぱり目の前の一戦に勝つこと。それしかない。謙虚にね。“山田の仮面”だけかぶって、いい加減なことをやるなということかな」。
良い意味でようやく剝がれてきた“山田の仮面”。剥き出しになりつつある今年の青森山田の本性が、まだまだおぼろげではありながら、少しずつその力強い顔を覗かせ始めている。
(取材・文 土屋雅史)●【特設】高校総体2022
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