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吉田麻也が“過密日程”に訴え「アジア人は非常に苦しんでいる」過去4年で地球8周、AFCへの意見書通らず

ゲキサカ / 2022年6月8日 6時30分

日本代表DF吉田麻也(サンプドリア)

 日本代表のDF吉田麻也(サンプドリア)が7日夜、国際プロサッカー選手会(FIFPRO)主催のオンライン会見に出席し、国際Aマッチデーに伴う長距離移動の過酷さを明かした。吉田はロシアW杯が行われた2018年夏以降、4年間で地球8周分にあたる約31万8000kmに及ぶ移動を経験しており、「このままいくと、いつ体が壊れてもおかしくない」と訴えた。

 国際スケジュールの過密化により、近年ますます大きな問題となっている選手の過労。所属クラブチームで出場する各国リーグ戦やカップ戦、UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)やAFCチャンピオンズリーグなどの地域別国際大会、国別代表選手が出場するW杯やその予選、EUROやアジアカップなどの国際大会で選手のスケジュールはいっぱいになり、近年では年間60試合以上プレーする選手も珍しくない状況となっている。

 こうした数々の大会の存在により、ファンは年間を通じてさまざまなエンターテイメントを楽しめる側面はある。一方、FIFPROは選手のコンディションに警鐘を鳴らす。FIFPROの調査によると、世界各国のパフォーマンスコーチの88%が年間の出場試合数を55試合未満にすべきだと主張。過密日程の影響で負傷を経験した選手は54%、メンタル的な不調を観察したことがあるハイパフォーマンスコーチは82%にのぼるなど、近年ますます進んでいるスケジュールの過密化への対策は急務だと言える。

 またそうした中、ヨーロッパでプレーしているアジア圏の国別代表選手はとりわけ大きな悩みを抱えている。FIFPROはトッテナム所属のイングランド代表FWハリー・ケイン、韓国代表FWソン・フンミンの2018-19シーズンから20-21シーズンにかけての移動データを公開。ケインの移動距離が86,267kmだった一方、ソンは223,637kmと約2.5倍に及び、移動時間もケインの123時間に比べてソンは300時間と圧倒的に多く、アジア人プレーヤーの過酷な実態が明らかになっている。

 2010年のA代表デビュー以来、13年間で国際Aマッチ117試合に出場してきた吉田も厳しい長距離移動に苦しむ選手の一人だ。
2011年にアジア杯制覇に貢献
 FIFPROの調査によると、18年6月から22年6月にかけての吉田の総移動距離は約318,000km。サッカーのための移動に限った数字だが、それだけでも地球7.93周分の距離にあたる。またタイムゾーンを超えた移動回数は59回、一度の平均移動時間17.5時間という厳しい数字も判明。吉田は「僕はヨーロッパリーグとかも出ていないので、国内リーグとインターナショナルマッチだけ。それでこれだけの数字が出たのは僕もすごく驚いている。移動に関してタフさを求められているのは事実で、欧州でプレーするアジア人は非常に苦しんでいる」と過酷な現状を語る。

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