「勝利からの1週間」で着実に成長を遂げてきた東海大高輪台はPK戦で“4勝目”をもぎ取り全国へ王手!
ゲキサカ / 2022年6月11日 20時51分
ここからは双方が成功を繰り返す中、決めれば勝利という東海大高輪台5人目のキックは、クロスバーをかすめて枠の上へ。プレッシャーの掛かる成立学園5人目がきっちり沈め、サドンデス方式へ突入すると、最後の見せ場は後攻の成立学園7人目。「自分が止めないと勝てないと思っていたので、自信を持って飛びました」と振り返った山本のワンハンドセーブで、勝負あり。「昨日の練習では全然ダメだったんですけどねえ」とは川島監督だが、その山本が相手のキックを2本阻止。東海大高輪台がPK戦の末に、準決勝へと勝ち上がる結果となった。
関東大会予選で東京を制し、シードとなった成立学園はこれが今大会初ゲームだったのに対し、前述したように東海大高輪台は3つの勝利を重ね、この日が4試合目。もちろん2勝すれば全国大会という優位性はあったものの、成立学園にとってみれば“初戦”の難しさを突き付けられる格好になったことは否めない。
「成立は関東予選で優勝していて、自分たちは駒澤に4失点して負けていましたし、その試合は自分も出ていなくて、悔しい気持ちもあって、『もっと練習からやらないといけない』と思っていました」とは早稲田。二次トーナメントも初戦は大成高と延長戦にもつれ込む激闘を戦い、2回戦では日大豊山と激しく打ち合い、ともに3-2で競り勝ってきていた東海大高輪台は、1週間ごとに課題と収穫と向き合い、確実に勝利を自らの成長に結び付けてきていた。
「今年はリーグ戦も日程が変わって、ウチはインターハイまでに1試合しかやれていなかったので、こうやって試合数を重ねられるのも大きいですね」と口にしたのは川島監督。コロナ禍もあって、なかなか部の活動すらできない時期も経験してきた彼らは、何よりも試合ができる喜びを噛み締めながら、一歩一歩着実に前へと進んでいる。
「準決勝に進めたことは、チームとしても個人としても大きなことですけど、次に勝たなかったら今までの頑張りも無駄になってしまいますし、ここまで勝ったからには『徳島に行かなきゃいけないな』という気持ちがより一層強まりました」という早稲田の言葉は、間違いなくチームの共通認識。徳島行きの切符を約束してくれる“5勝目”を手繰り寄せるべく、東海大高輪台はまた大事な1週間を、ここから全員で積み上げる。
(取材・文 土屋雅史)●【特設】高校総体2022
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